「大学の時何やってたの?」
『合気道です』
尋ねた人は「何学部だったの?」「何を専攻していたの?」と、そんな意味で聞いたのに、真顔でそんな返しをした覚えがあります。
「何学部?」と聞かれ『合気道学部』と冗談で答えるほど、大学では合気道ばっかりやってました。
基本的に週6で15時から18時まで。
授業が無かろうが、その為に電車で2時間かけて学校へ。
まぁ、そんな調子で自分は合気道に限らず武道とか格闘技とかばっかりやって来た訳さ。
他にも日本拳法やら柔術やら空手やら総合格闘技っぽいことやら、かじった程度で言えば剣道もやりましたね。
でもって、演劇というものに触れたのはマニンゲンに関わったのが初めてのこと。
自分の演劇のベースは武道にあると言ってもいい訳です。
と言うのも、腹式呼吸とか声の出し方とか立ち方、姿勢とか諸々含めザックリ言うと身体の使い方と言うかね、そのあたりはまんま武道の世界から持って来たもんです。
その辺りはほぼほぼ共通してるんでね。
まぁ、同じものかはどうかわかりませんがね。
で、まぁ、ちょいと立ち方の話を。
立ち方、姿勢。
自分も思いっきり猫背の人間で普段は凄い猫背です。
腹式呼吸をするには正しい姿勢でないといけない。
腹式呼吸じゃないと声は出ない。
ってな訳で、正しい姿勢とは何ぞや?という話なんですが。
多分、演劇やってる人なら一度や二度くらい、姿勢について言われたことはあるでしょう。
武道でも、一度や二度どころではない騒ぎで姿勢のことを言われます。
ご存知の方が大半だと思いますが、少なくとも、猫背は正しい姿勢ではない。
と言うのは何故かというと、頭を筋肉で支えているからです。
頭というのは想像以上に重い。
大体体重の13%前後と言われてます。
62キロの自分だと約8キロ。
それくらいの重量のモノが首の上に乗っかってると自覚してください。
それを筋肉で支えると何故いけないか?というと、所謂身体がこわばる、無駄に力が入っている状態なります。
じゃあ、何で支えるねん、と言う話ですが、それは骨で支えろ、と言う話になります。
背骨です。
猫背になっていると、頭の下には背骨はありません。
姿勢を正すと、頭を背骨で支えることができるのです。
天井から頭を糸で引っ張られてるイメージを持て、腰から肩甲骨までの間に意識を持てとか、足裏のつま先ではなく踵側に意識をむけろとかいろいろ言われますけどね、まぁ、この辺は感覚のお話ですが。
要は骨で立つこと、骨で頭を支えることを意識しろって話です。
でまぁ、武道の世界で理想の立ち方の1つがこれ。
宮本武蔵の自画像。
有名なので見たことがある人も多いでしょう。
身体の脱力の仕方とか重心の位置とか諸々。
立ち方、姿勢にお悩み方はこいつを参考にされては如何でしょう。
まぁ、さらに専門家に言わせれば、宮本武蔵のその立ち方を絵に完璧に描きあげた描いた奴も相当凄いと言う訳です。
で、コレを見せられてもよく分かんないですよね。
で、もっと身近に筋肉を使わず、頭を骨で支えて立っている人いるのです。
子供です。
しかも、立ち始めたばかりの子供。幼児。
子供はまだ筋肉が発達してないので、骨で頭を支えて立つしかないんです。
立ち始めたばかりの子供って、猫背っていないですよねって訳です。
身近にそのくらいの子供がいると、ちょっと観察してみるのも良いかもね。
今回はそんな話。
