大学生のときの話。
自分は合気道部という、歴史の遺物と言っても過言でない武道系、所謂体育会系のクラブに所属しておりました。
返事はハイか押忍。先輩は神様。
みたいな時代ではないにしろそれなりに厳しいこともありました。
これは武道系に限らず一般社会でもそうだけど、時間に関しても。
10分前集合、5分前行動ってやつです。
例えば9時に集合と言われて、8時55分に行くと怒られるってやつです。
9時集合と言われると、必然的に8時50分集合と変換しなくてはならないのです。
で、10分前には集合して、幹部の登場を待つというね。
そんなクラブだった訳ですが、どこにでもよく遅刻をする奴ってのはいるもので。
同回にも1人いてました。
30分で来れるのに、家まで1時間以上かかるとずっと嘘ついてるような奴でした。
遅刻が原因で先輩からよく怒られる。そんな奴が。
でもって、自分たちの2回生になり、後輩ができました。
後輩ができると先輩の仕事が大きく1つ増えるのです。
それは、後輩の教育。
教えることは教えないといけないし、時には厳しく叱りつけることも必要になって来ます。
2回生になりしばらくして、全員で集まらないといけない時に、ある1回生が1人遅刻してきたのです。
そんな時でも、幹部の先輩はその1回生に直接何も言いません。
2回生の自分たちに言うのです
「おい、1回生が遅刻してきてるやんけ。どういうことや?」と。
ザ・縦社会。
幹部が2回生を怒り、2回生が1回生を怒るというシステム。
その後、1回生を全員集めて、2回生と1回生しかいない場で、そいつを怒る訳です。
で、そのときです。
その遅刻してよく怒られていた同回が、遅刻した1回生にツカツカと歩み寄り「何遅刻してんねん!」と頭をはたいて怒りだしました。
そのとき自分を含めた2回生みんながこう思いました。
「お前が怒るんかい!」って。
そーゆーことがあり、「あんだけ1回生の前で遅刻のことで怒ってんから、もう遅刻はできんぞ」ということを言って、まぁ、そいつもその後は遅刻することもなくなったのでよかったんですが。
でも、たまにはばれないように遅刻してたけど。
そーゆー訳で人って、誰しも自分のことを棚に上げることにかけては抜群の才能を持ってると思おうのです。
自分は特別。自分は良いけど、他人は許せない。
それくらいの勢いで。
でもって、そのことに自分は意外と気付いていないと言うね。
きっと、自分だってそーゆー生き物だと思ってます。
自分では気付いていないだけで、そーなんだと思ってます。
そーゆーケースもあるし。
逆、でもないけど似たようなケースも。
先輩、上司、誰でもいいけど、そーゆー風に例えば遅刻したことで怒られたとしましょう。
すると、怒られた側は、こう思うはずです。
「先輩だって遅刻するときあるのに、なんで私が遅刻したらそんなに怒られなアカンねん!」
と。
これだって、完全に自分のことを棚に上げてると思うのです。
そもそも遅刻してきた自分が悪いのに。
先輩、上司は、立場上怒らなければいけないってのもあるけどね。
と、まぁ、そーゆーことってよくあるよねって話です。
上げるのは上げることで仕方ないとして、、だってそーゆーもんだから、、上げ具合には気を付けたいよねって話。
背伸びして手が届くくらいにしときましょう。