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先日、ジェラートを食しました。

「ジェラート」を売っているだけありイタリアンな店名でしたが、失念。
サイズも「シングル」「ダブル」という呼び方ではなくイタリア語だったと思いますが、これまた失念。
その呼び方はディスプレイにカタカナで書かれていたのですが、視覚でとらえた字面の信号が脳内の言語中枢まで到達せず言葉になりませんでした。
反射神経で
「噛むくらいなら、発言するべからず」
と判断したのでしょうか、次の瞬間にはダブルの意のカタカナを指さし
「これ、ください」
と滑らかに代名詞が口を衝いて出ました。
記憶力が衰退する一因がわかった瞬間でした。

注文を受けたジェラートを客に手渡し、見送る背中に向かって店員が必ず声をかける
「ボナペティートー!」
も初めは違和感がありましたが、客が訪れるたびにイタリアンな雰囲気に呼び戻されるツールとなっていました。

さて、やはり夏ですからガツンと酸味のあるものを欲し、1つ目のフレーバーは「完熟トマト」味。
あまりに期待をかけすぎると、裏切られた時のショックたるや相当なものです。
嬉々として一口含むとまさにそれで、あろうことか酸味ゼロ。
こんなところにまで、今流行り(?)の「ゼ~ロ~」!
出鼻をくじかれましたが、こちらをさっさと片付けてもう1つの味を堪能しよう…スプーンを持つ手は超高速の動きを見せました。
仕事のできる右腕を持って、幸せ者です。

残るは、さほど期待していなかった「坪井珈琲」味。
なんと、日本ハムファイターズの坪井智哉選手がプロデュースしたというではありませんか。
プロデュースしたのはジェラートをなのか、使用されているコーヒー豆をなのかは、またしても失念。
期待度は低いものの、ネタにすべくこれを食べない手はない…
ある意味失礼かつ不純な動機でしたが、予想以上の良い結果だったときというのは、身も心も軽快になります。
完熟トマトが星1つなら、坪井珈琲は星5つ!
持ち手をコーンにしていたのですが、カップなら後味の余韻に浸れたでしょう。
それほどまでの美味しさに、軽快になった右腕は先ほどよりもさらにマッハで動き、秒刻みでせわしくサクサク仕事をこなすビジネスマンの如し。

ジェラートの感想が、社会の歯車に組み込まれてしまったビジネスマンの悲哀にかき消されてしまいました。