「娚の一生 」1~4巻  西炯子 | MARIA MANIATICA

MARIA MANIATICA

ASI ES LA VIDA.

漫画で~す♪
先日のテレビで新作映画の紹介がちょっと気になったもので。
作家名からして、多分家にありそうだと思っていたら、
やはり娘が持っていたので早速読みました。ありがたや~!!


大手の電機メーカーに勤務するつぐみは祖母宅で長期休暇を過ごしているが
その祖母もなくなり、葬儀後つぐみは在宅勤務を選択し、東京から離れた
この地の祖母宅で一人住まいをすることを決意する。
そこに現れたのが、初老の大学教授、海江田。
彼はつぐみの亡き祖母(染色家)に学生時代に憧れており、数年前に
彼女からいつ使っても良いとアトリエの鍵を渡されていたという。
出ていく意思がないどころか、海江田はつぐみとの同居を希望し
そのまま居座ってしまう・・・と、唐突な始まりなのでした。

つぐみ30代半ば、海江田51歳だったかな・・・でも海江田さん、
素敵なオジサマのイメージなのでしょうが、どう見てもおじいさん。
う~ん、私の周りの50代って割と若々しい方が多いので
これが世間的な50代のイメージなのか、と思うとちょっと残念です。
でも、自分も50代なんてもう老人の域だと若いころは傲慢にも思っていましたし
(本当に申し訳ありません)、実際自分がその年代に到達しないとわからないものも
ありますから仕方ないですね。
海江田氏にはなかなかかわいげのあるところもありましたが、
でもこれを若い人が見ても同じように感じるのか・・・??とは思います。

また、仕事がバリバリにできて在宅勤務も許されてしまうような
有能な理系女子のつぐみが恋愛となると妙にへにゃへにゃうだうだなことと、
その彼女が見かけによらず、会社でも有名な不倫遍歴を持つ女性だったようなのに
彼女自身も周りもそのあたりドライと言うか、ほとんど意に介さず割と普通に
同僚たち(男女問わず)とそのことを話題にしていたりってことに、
これがイマドキなのか?とびっくりしたり・・・でした。
在宅勤務の実態も決してあんなにゆとりのあるものじゃないと思うけどね。
むしろ会社にいない分、自分ですることが山積みで通勤するより
縛りのない分、大変なことはたくさんあると思うんだけど。

と言うわけで全体的にイメージ優先のお話なので、読み手の好みで
かなり評価が分かれそう。
テレビで流れているオンラインゲームのCM…会社に内緒で上司と同居とか…
あんなイージーな流れで、まあそういうのがはやりなら仕方ないか。
そんなことを思いながらも、読んでいる最中は、次へ次へと4巻を息次ぐ間もなく
一気に読んだし、なかなか面白くもありました。
だけど、終えてみると小さな事件はあったものの、特別印象的な部分や
深みがなかったなと思う。

こういう作品を今の若い人はいいと思うのか~、そりゃ私が古い漫画に
こだわって浸るだけになってしまっても仕方ないよなと思う。
考えてみれば、私は恋愛が主題の漫画って昔からほとんど読まないし、
特にこういうタナボタ・・・いやナリユキ?・・・とにかくなんとな~く
いつの間にか恋愛関係になっていたっていうタイプの話は
元々あまり好きじゃないからなあ。
そもそもつぐみが不倫に走りがちだったのはそういうことからじゃないのかしらね?
というわけで求めているものが描き手の目指しているものと違いすぎるって
ことなのでしょうね。


で、映画化にあたって海江田は豊川悦司、つぐみは榮倉奈々だそう。
う~ん、トヨエツ・・・は、好きだけどちょっとワイルドさが強くない甲斐?
もう少し線の細いインテリ風、佐々木蔵之助あたりがあと少し年を取ったら
いい感じじゃないかな?

榮倉奈々ちゃんはかわいくて良いと思いますが、彼女の明るくて屈託のない
健全な本人イメージと、一流企業の有能な理系女子という作品イメージが
どうなるか、ですね。
どちらも映像でほんの一部を見た限りでは、知的職業の人と言うよりも
芸術家風の印象でした。




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