「マルタの鷹」 ダシール・ハメット | MARIA MANIATICA

MARIA MANIATICA

ASI ES LA VIDA.



なんとなくミステリとハードボイルドに、読書の向きが傾いているような気がする、今日この頃。

この作品は、以前読みはじめたものの続かず放ってあったもの。
今回も、初めの数章はてこずってしまった。
多分、次から次へと関係者が現れたものの、それを把握しきれないままだったからだろう。
ほぼ状況が把握できてからは、特に滞ることなく読み終えることができた。

たくさんの人が絡み合い、事件も当初持ち込まれたものとは変化があるため
このストーリーをかいつまんで書くことは困難だけど、要はスペイン皇帝にかつて
マルタ騎士団が献上した純金の「鷹」の彫刻を手に入れるための駆け引きといえるかと。

殺人などを犯している悪人共なのだけど、どこか間抜けで憎めないというか大物感がないのね。
特に昨夜はテレビで「アウトレージ ビヨンド」を(ひえ~っ)と思いながらチラ見していたので
あの非情さに比べると小説内の悪党どもなんて小物小物。
そして彼らよりも、主人公の探偵 サム・スペイドのほうがよほど悪辣に思えた。

色々な意味で、探偵そのものや探偵小説のイメージを覆した記念碑的作品であり、
また古典であるといわれているのもむべなるかな、と思う。
ただ私みたいにさかのぼって古いものを読んでいる者にとっては、ここから派生した
亜流の探偵をすでにいくつも見てしまった後なので、感動の度合いが少ないのは残念だ。

サム・スペイドは、刑事だけでなく悪人とも駆け引きするし、金銭の要求もする、そして非情。
女性には打って変わって・・・優しい、というのとは違うな、なんだろあれは??・・・
表面的には甘い。甘いけど冷徹で、横暴な気がする。
ま、要するに「オレサマ」って感じが私の印象かなあ。

机上であれこれ推理をしたりする探偵群に比べると、頭脳労働よりも行動派というのは
大変好ましく思った。
でも私はどちらかというと、チャンドラーの方が好きかな。
多分、サム・スペイドに感傷的・情緒的なものを見出せなかったからだと思う。

それにしても、この小説に限らずハードボイルド小説に出てくる女性ってつまらないですねえ。
男性全般がああいうのが好きなのか、それとも女性の描写にあまり凝っている時間がないの??






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