釣り針の旅 | MARIA MANIATICA

MARIA MANIATICA

ASI ES LA VIDA.


ずいぶん前のことですが、静岡の魚市場でマグロの頭を兜焼きにしようと
買ってきたことがあります。
オーブンに無理やり入れてかなりの時間をかけて焼き上げて、いただいておりますと
硬いものが出てきたの。

釣り針だったのですね。

大きさは5cm弱くらいかな。
どこのどなたのものだったのか・・・こんなところにやってくるとは。
面白いですね。
久しぶりに出てきたので、写真にとってみた・・・わかりづらいかな。





アンデルセンの「なまりの兵隊」を思い出してしまいました。
鉛の兵隊は、材料が足りずに片足しかない。ある日、窓から川に落ちて海に流され
大きな魚に飲み込まれ、また元いた家の食卓に登る・・・簡単に言うとそんなお話です。
紙でできた踊り子のお人形に恋をしたり、最後は、ええっ!?という終わりですが
まあ、アンデルセンだとこんな感じかもと納得したりして。

関係ないけど、「すずの兵隊」としているものもありますよね。
TINなので「すず」が正しいのですが、これって誤訳じゃなくて
戦争中の資材不足の関係ですずではなく、なまりとしたと聞いたことがあります。
でもネットで探しても、未だその記事に再会できないのですが。


釣り針と一緒に写っている絵本は「にじいろのさかな」です。
ものすごく美しい本で、一目ぼれして買いましたが、
読んでみると、う~ん、ちょっと複雑。

ものすごく美しいうろこを持つ「にじうお」は友達がいない。
「そのうろこを一枚ちょうだい」といわれても、うろこを自慢に思っている
にじうおはその申し出を断ってしまう。
それでますます皆から仲間はずれにされることに。
結局、にじうおは再びうろこをねだられたときに、一枚上げてしまう。
それを聞いたほかの魚たちがわれもわれもと押し寄せて、
とうとうにじうおの美しいうろこは一枚だけになってしまう。
だけど、友達ができた!にじうおはとても幸せ・・・って感じのお話です。
(記憶だけで書いているので大雑把でごめんなさい)

みなでなにかをシェアするっていいことだよね・・・とも言えるのだろうけど、
う~ん、分け合うのは良いことだけど、なんでもかんでも・・・じゃないだろう、と。
たぶん限りあるもの、目に見える(物質的な)ものを分けあったから・・・
物が媒介となるなんて・・・と、私は愉快な気持ちになれなかったのでしょう。
よくある、いわゆる「無償の愛」だったら私も感動したと思うけど・・・
たとえば「幸福の王子」みたいな、ね。

ずいぶんたってからネットで他の方の感想をみる機会があって、
やはり感想はふたつに分かれていた・・・ああ良かった、同じ考えのヒトがいて。
子供向けのものって、正しいことだけが描かれていそうな気がしてしまうので
ちょっと怖い、と思うことがあります。
あまり教訓じみていない、シンプルな絵本がいいなあ。
食べ物の話とか・・・♪


我が家のはこれ。あと全集みたいなのもあってそちらの挿絵はいわさきちひろで
大変に美しかったです。
講談社かポプラ社あたりの小学校低学年向けのもので、絵本ではないのですが。
そちらのタイトルは「すず」だったか「なまり」だったか忘れてしまったな。


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世界的ベストセラーで、続編も多数。


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