「ハイ・ライフ」タキ・テオドラコプロス | MARIA MANIATICA

MARIA MANIATICA

ASI ES LA VIDA.


ギリシャの名門のご出身なのだそうです。
そういうわけで欧米社交界のあれこれが描かれています。

前半は社交界のゴシップがメインでしたが、
何しろ私には馴染みのない名前ばかりで、
だからタキの賞賛の言葉が本気なのか、嫌味なのかも理解しかねる始末。
それに世界史や各国事情についての素養もないと、ちょっとね・・・。
というわけでなかなか中身に集中できず、読み始めたのが
実はおととしの夏なのに、ようやく読了したのが昨日という
長丁場になってしまったのでした。

それでもジャクリーヌ・オナシスとその妹の葛藤などはとても興味深く
改めて彼女についての本を読んでみたいと思いました。
また、ブルース・リーや昭和天皇への大変な敬意など、意外な一面も。

後半はゴシップネタよりも私の好きなノーブレス・オブリージュについて
語られた部分が多く、なかなか楽しく、また結構感動しつつ読みました。
私の考えるハードボイルドの精神に通じるものもあり、このあたりの
矜持みたいなものが、単なるお金持ちと一線を画すものかと思ってみたり。

富の上にあぐらをかいた人間の書くものなんて・・・と思う向きあるかも
しれないけれど、人の精神とか魂ってのは目視確認できるものを超えたところに
存在していると私は思うので、このスタイル、私は嫌いじゃありませんし
また遠いものとも思いません。
人間それぞれ、それなりに使命があるだけの話ではないかと。

余談ですが、作中にも何度か名前が登場するカポーティ。
以前読んだ、その彼の「叶えられた祈り」を思い出しました。
実は内容はほとんど覚えていないのですが、あの作品で
カポーティがアメリカ社交界のゴシップを描き、
失脚することになりました。
このタキのように、小洒落た言葉で少々毒を込めたゴシップを書いて
また新たな境地を開き、別の立ち位置を得ようと考えてのことだったのかしら?
それは私にはわかりませんが、書く事が許される人とそうでない人が
あるということなのでしょうか。
「冷血」で成功したカポーティでしたが、やはり世間には「本物」と
認められたわけではなかったのかな、なんてことを思っていました。
が、このあたりについては別の機会にいずれまた。



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