電子書籍で読む宮沢賢治Ⅲ | MARIA MANIATICA

MARIA MANIATICA

ASI ES LA VIDA.

一昨日から昨晩にかけて読んだ宮沢賢治作品です。
空いた時間に合わせて、作品の長短見ながら選んで読めるのがいいです。


1)どんぐりと山猫

久しぶりに読みました。
山猫からの招待を受けて裁判に向かう一郎。
やはりこんなお話は賢治作品にはよくあるけれど、
日常から非日常にすんなりと移動していく描写が本当に秀逸ですね。
一郎の名裁判官ぶりもなかなか。
深く考えれば人間の世界に日常的に起きることがらをなにかしら
示唆したものなんだろうけど、それを考えなくとも楽しい。
金色のどんぐりは私も欲しいです。

どんぐりと山猫/宮沢 賢治

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2)なめとこ山の熊

「なめとこ山の熊ならおもしろい。」有名な出だしですが
笑えるとか楽しいという意味での面白いお話ではないです。

熊猟を生業とする小十郎は、自分の罪を意識しながらも
生きるため、家族のために熊を撃ちます。
熊と小十郎の間には、信頼関係のようなものがあるようです。
それは友情などというよりももっと重い感じ。

よだかの星でも、よだかが自分も生きるために
自分より弱いものを食べるということで
自責の念に駆られていたけれど、
あれに似ているように思います。
いわゆる原罪ってやつですかね。

重いけど、好きなお話の一つです。

なめとこ山の熊/作者不明

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3)「水仙月の四日」

これも再読なのですが、全然覚えていなかった。
雪の白さ、空の青さ、そして子供の持っている赤い毛布・・・
そういう色の描写がとても印象的です。
賢治の描く雪景色は本当に見事なのですが、
これは雪童子の子供に対する思いやりゆえに寒々しさのないいいお話です。

自分の投げたヤドリギを手にとってくれた、そのヤドリギを
手放そうとしなかった、ただそれだけで直面した死からその子供を救う。
雪童子のことはもちろん、雪童子が自分にしてくれたことを
この子供がこの先も知ることはなくても、大げさなようだけど
雪童子自身が自分の存在理由を確認できたような気がしたのかも。


水仙月の四日/宮沢 賢治

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4)「星めぐり」

宮沢賢治作の短いけれど有名な歌詞と曲。
文書としては残っていないので、耳で聞いたものが伝承されたそうです。


星めぐりの歌/作者不明

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5)「ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記」

再読のはずなのに全く記憶にない。
なかなか面白いのですが、また途中で寝てしまった。
というわけでまた続きは本日。


ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記/作者不明

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