マンガいろいろ | MARIA MANIATICA

MARIA MANIATICA

ASI ES LA VIDA.

少し時間が取れるようになったので合間合間にマンガ読んでます。
このところ読んだのは、マイチョイスではなく、娘チョイス・・・
あまり趣味合わないみたいだな、と実感したところです。


1)「ウツボラ」Ⅰ・Ⅱ巻  中村明日美子


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ウツボラ(2)(完) (エフコミック) (エフコミックス)/太田出版

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小田急線沿線を描いた「鉄道少女物語」が面白かったので読んでみました。
顔のない自殺死体からはじまる、サイコ・サスペンス。
一読しただけでは、正直意味が良くわからず、あとからじっくり考えて
私なりに納得したつもりですが、あまり自信なし。

その理解しがたさのひとつにはそっくりな女の子が出てくるところにあると思う。
小説と違ってマンガの場合、当然だけど「そっくり」ということは、同じ顔を
描けば済んでしまうんですね・・・余計な説明必要なし。
だから、同じ顔のその絵にとらわれてしまってそれぞれの個性がつかみきれないので
迷ってしまうんじゃないかと。
そういう意味でいかにもマンガならではのサスペンスというかミステリーだと
思いました。

結局、初老の素敵な作家・溝呂木をめぐる女性たちのお話なんだけど、
その溝呂木の魅力があまり伝わってこなかった。
そして前日に読んだ山田詠美の「ジェントルマン」と同様、ここにも
なんとも淫靡な表現があって・・・これって必要なものなのか?と
毎回この手のものを目にするたびに思ってしまう。
これを耽美主義って呼んでいる人もいるようですが、
ちょっと納得行かないかな。

ジェントルマンの口直しどころか、ううう感にさらに追い討ちかける
作品となってしまいました。
でも若い方にはかなり人気があるみたいですね。


2)「銀の匙」1~4巻  荒川 弘

子どもたちが夢中になって読んでいたのでついつい私も・・・。

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道内屈指の進学中から、農業高校に進学した少年のお話。
やりたいことがあったわけではなく、ただただ居場所を探して
逃避してきたのですが、ここで将来への夢を持つ同級生たちに
出会って少しずつ変化していく、成長物語って感じでしょうか。

生命倫理や親子の葛藤・後継者問題など、普遍的なテーマも
なんとなく軽いタッチで飄々と描いてあります。
マンガ大賞受賞作品だそうで、その基準は存じませんが
なかなかの作品だと思いました。
ただ、が~ん!とショックを受けるような強烈なものはあまりないですね。

作品の中で、勉強があまり得意でない同級生に比べるとダントツに
勉強のできる主人公の少年が、なのに結局それぞれの同級生の得意分野に
すべての教科のトップを奪われてしまうという描写がありました。
ほかは赤点もしくは赤点すれすれ・・・なのにある特定の一教科だけは
誰にも負けずにトップを取る同級生たち。
主人公は総合1位でありながら、教科ごとにはひとつもトップを
取っていない・・・このマンガそのものがそういう印象を持たせる作品でした。
どの部分をとってもこれは他作品の追随を許さない、という強さや
絶対的なものがない、けれども総合点は良い、という感じ。わかるかな?

だけど小中学生が読んだら彼らなりに感じるものがあるとは思う。
読んでも害になる描写もほとんどなく、ほのぼのとしていて悪くないです。


3)「聖☆お兄さん」1~3巻   中村 光

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「荒川アンダーザブリッジ」の作者の作品です。

世紀末を乗り越えて一段落したイエスと仏陀がなぜか東京都下の
立川市のアパートで同居しながら休息しているというお話。
「荒川・・・」は途中で展開に飽きてしまって、リタイア。
で、これも続けて読んだらそうなることが予測できる気がする。

悪くはないのです・・・けど、特別爆笑を誘われるわけでもないし
その笑いのパターンも荒川のときとかわらない・・・あれが
お好きな方ならば、文句なく楽しめると思いますが。

高校時代、萩尾望都の「百億の昼と千億の夜」を読んで
感銘を受けて以来宗教は私の永遠のテーマになってしまいましたが、
いやはや・・・。
この作品から、仏教とは、あるいはキリスト教とは・・・なんて
考える人が出ることは、まずないでしょうねえ。
あくまでも笑いのための設定のひとつとなっているだけなので
もちろん宗教への冒涜だ!とかそんな風に言う気もないし、
言うほどの問題作(力作)でもない。あくまでもこれは娯楽作品。
再読もないと思うし、続刊を読むこともないと思います。


4)「ライアー×ライアー」 1巻 金田一蓮十郎

ライアー×ライアー (1)(デザートKC)/講談社

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表紙の色彩と女の子の表情があまりにもかわいいので、読んでみました。
絵もお話もなかなかうまい方ですね。

女子大生・湊は、友人の高校時代の制服を借りて渋谷を闊歩中に
弟からナンパされる。
弟とはいえ、母の再婚した相手(つまり義理の父)の連れ子なので
血縁はなく、戸籍上の弟にすぎないのですが・・・。
とっさにうそをついて他人のふりをするが、弟は一途に彼女に
想いを寄せてくる・・・。

う~ん、あり得ない!
1巻だけ読んだ限りで後の展開考えると、うそに翻弄されている
弟君が気の毒で読む気が失せてしまうけど、
タイトルが「ライアー×ライアー」となっているところが気になる。
だましているつもりが、だまされているのかも???
あえて自分で続刊を購入しようとは思わないけど、
見かけたら即!読まずにはいられないと思います。


・・・・というわけで、怒涛のマンガ読みの2日間でした。
やっぱりさ、若もののマンガは共感しづらいものですね。
仕方ないけど、この年季の入ったマンガ読みを唸らせてくれる
若い実力派がどこかにいないかしら・・・。