2年ほど前にDVDを手に入れたのになかなか機会を持てずにいましたが、ようやく。
第三の男 [DVD] FRT-005/ジョゼフ・コットン,バーナード・リー,オーソン・ウェルズ

¥500
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吹き替えではなく字幕スーパーな上、ドイツ語シーンは全く翻訳されていないので
極端にせりふが少なく、何も予備知識を持たずに見た人が完全にやりとりの
内容を理解できるかどうかはちょっと疑問ですが、ストーリー自体は
そう複雑なこともありません。
逃げる影、追ってくる影、石畳に大きく写る影を多用していて、
それが不気味でありながらもモノクロ映画ならではの美しさでした。
有名な観覧車のシーン、地下の下水道での追跡シーンも、また。
前半殆ど登場しない、ハリーが初めて闇の中に現れるシーンも印象的。
このハリー、私にはなぜかちっとも悪人には見えず、何か抜き差しならない
理由があってのことじゃないのか、などと思ってしまうのですね。
むしろ自分なりの正義感で無謀な行動を繰り返す、アメリカ人ホリーの
行動のほうがずっと苦々しく思えました。
小説でのハリーはもっと極悪人でしたが、これもオーソン・ウェルズの
演技力や彼の風貌によるものなのかと、つくづく思いましたし、
いかにもアメリカ人的でさかんに「間抜けな名前」と揶揄されていた
ホリーを演じたジョセフ・コットンもまた平凡な男を完璧に
演じていたのかもしれません。
ラストシーンはあまりにも有名すぎて私が語るまでもありません。
古くから知られているシーンだから、焼きついているというのも
あるかもしれませんが、女性としてはとても納得できるラストで
衝撃的という表現は、私に関しては浮ばないです。
むしろ小説どおりに終わっていた方が、ある意味私には衝撃的だったかも。
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小説と映画の違い。
もともと映画のためにグレアム・グリーンが書いた小説です。
もう箱に入れてしまったので詳細の確認はできませんが、
いくつかの部分が異なっています。
小説ではホリーの名は別で(何かは失念)、ハリーとともに
イギリス人という設定でした。
ホリーが長年会わずにいたハリーをなぜ急にオーストリアに
呼び寄せたのかが小説でも疑問でしたが、映画でのあのホリーの
平凡ぶりを見るとハリーを裏切ることなく思い通りに動く男として、
白羽の矢が立ったのかもと今は思います。
実際はそうは行かず、ハリー的には裏切りにあうことになりますが。
しかし映画ではなぜ、ホリーとハリーなんて紛らわしい名前に
わざわざ変えたのだろう。
一番大きな違いである小説のラストシーンをネタバレをしてしまうと、
安奈・・・いやアンナが彼女を待つホリーに近づいた後、
ふたりは並んで歩き始め、やがてアンナがホリーに腕をからませて歩いていく
というものでした。
小説の解説でグリーン自らが、映画のラストシーンは当初反対だったけれども
結果的には自分の書いた結末よりも、映画のほうがはるかに良かったと書いていました。
私はグリーンの小説は他に「ブライトン・ロック」「情事の終わり」の
わずか2冊を読んだにすぎませんが、これはある種の演出じゃないかと考えています。
どちらの小説にも描かれている女性は、はかなげでありながらも、
愛のためなら何も怖いものなし・・・なんて感じの一途で芯の強い女性なのです。
そのグリーンが、この「第三の男」で、ハリーのお葬式の帰りに、もうホリーと
腕を組んで歩くような女性を描くかな、という疑問を持っています。
あくまでも私見ですが、そういう女性観を持つ作家とはとても思えない。
だからこれ、きっと映画と小説のための商業的戦略じゃないかと私は思っているのです。
とはいえ、映画は期待を裏切らずとてもよかったし、グリーンの小説も好きなので
これで良しとします。映画はまた日を改めて見てみます。今なら勢いに乗れそう。
その他、家族が借りてきたDVDをいろいろ見ました~♪
魔法にかけられて [DVD]/エイミー・アダムス,パトリック・デンプシー,ジェームズ・マースデン

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単純に、夢があって楽しかった。ロマンティックなラブコメ。
結構好き。姫のドレスが素敵です~♪
さらば愛しの大統領 [DVD]/世界のナベアツ,宮川大輔,ケンドーコバヤシ

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世界のナベアツ・・・好みではないんだけど、作品は面白くて
家族で大爆笑しつつ見終えました。
アキハバラ@DEEP [DVD]/成宮寛貴,山田優,忍成修吾

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石田衣良原作の映画化。テンポが良くて面白かった。
ラストはちょっと私としては後味悪いけど。
忍風戦隊ハリケンジャー Vol.1 [DVD]/特撮(映像)

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ライダー、戦隊ものが意外と好きな私ですが、
戦隊物の中ではハリケンジャーが最も好きな作品のひとつ。
音楽がかっこいいんですよね。
ハリケンレッドを演じているのは今話題の塩屋青年です。