おもしろ~い!!!!!!!!!!!!!!
映画は以前、私の好きなニコルスン・バージョンをテレビで見ようとしたら
一家団欒の場ではとても無理な内容だったので、結局見ずに今日まで参りましたが
あのイメージに長いこと囚われてしまっていたのは、ああ、残念。
小説が映画とは別物というのはこれまた他の作品と同様なのでしょう、多分。
流れ者のフランクは、たまたま入った食堂の店の主人の妻・
コーラに惹かれる。
店の主人が働き手を捜していたこともあり、
乞われるまま職を与えられ、その店に居つくことになる。
やがてふたりは主人であるコーラの夫が邪魔になり、
殺人計画をたてることになる・・・。
読みながら、粗野なこの主人公・フランクが、サリンジャーの
「キャッチャー イン ザ ライ」少年と重なってしまった。
自分が思うほど、度胸もないし、賢くもない・・・。
必要以上に自分を大きく見せようとして語る言葉の数々が増えれば
増えるほど自分の小ささを示していることに気がつかない。
独り語りで進む話の形態だけでなく、そんなところが似ている。
そんなフランクの愛人となったコーラ・・・彼女も本当は彼のレベルを
わかっていたのではないかな。
でもきっとあの男(夫)が居なくなれば変わる・・・そんなことを
自分で自分に言い聞かせながら、幸せを求めていたのかもしれません。
あるいは夢を見ていた・・・?
ハードボイルドだとかミステリーだとか、この作品の米国と日本での
カテゴライズの違いなどがあとがきで語られていましたが
私はこの作品、純愛モノの要素たっぷりだと思いました。ヘン??
生まれながらの流れ者と、ここから出たいと思っている人妻。
求めているものも愛情も、多分同じようにあるのに、
どこかが微妙に違うもどかしさ。
それゆえなのか、度々衝突するしどちらも相手に疑いを持ってもいる。
欲しいものは多分どちらも一緒なのに、立ち位置が違うことで
ぶつかりあうふたりは、何かあれば抱き合ってその場を収めてしまう。
良くも悪くもイノセントな子供という印象なのですが、ありがちなことかも。
「頭で考えられないから」と短絡的にはとても言い切れない。
やっぱりそういうものなのじゃないか、と思う。
このふたりに、もう少し頭の働くお金の好きな第三者が絡んできて、
思いもよらぬ方向へ話が進んでいくことになってしまった。
法律が事実を曲げてしまったり・・・。
それらも運命・・・と片付けてしまうには、ちょっとね。
やさぐれもののひとり語りの形で終始話は進んで行くのですが、
最後の最後だけ語調が変わる・・・ここが何ともあとを引く。
効いてます。
一気に読まずには居られない面白さでした。
郵便配達は二度ベルを鳴らす (新潮文庫)/ジェームス・ケイン

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実はこれ「甲斐よしひろの好きな100冊の本」の1冊です。
今調べたら、この曲から生まれたのは「BLUE LETTER」なのだとか。
ご本人がおっしゃっているのだから異議の申し立てのしようもありませんが、
ワタクシ的には「荒野を下って」「危険な道連れ」あたりかな~と
読んでいる最中はずっと思っていました。
というわけでこの作品が生んだという「ブルーレター」を拙作で。
でもやっぱりこの曲は「ブライトン・ロック(グリーン)」の
小説がベースだと思うんだけどな・・・(しつこい)・・・。
私の好きなアルバムのひとつ。
改めて収録曲を見てみれば・・・ならずモノの歌ばかりですね~。
虜-TORIKO-(紙ジャケット仕様)/甲斐バンド

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