この岩波ブックレットの薄い1冊が出てきたので続けて読んでみました。
わずか63ページだけなので、ベトナム戦争の概要であるとか
細かいことはすべて省略されています。
知っていることが前提ということになるのでしょう。
メインになっているのは、ベトナム戦争に日本がどのように
関わっていたか、ということになりますが、日米関係については
見える部分、見えない部分いろいろあったのですね。
私の生まれた街にあった横田基地から、ベトナムへの
米軍飛行機が飛びたっていったことは有名ですし、
これはベトナム戦争以外の有事でも使われています。
ほかにも立川・横須賀・座間といった今もかかわりのある
街の名前や、同じく立川・拝島・・・など当時の国鉄の
駅名とともに、どんなものがそこを通過して行ったかを
読むと結構ショックですね。
組織の中にいると、疑問を感じつつもその流れに乗らないわけには
いかないこともありますよね。
でもベトナム特需が日本の高度成長の柱の一つであったとして
あれは必要悪だった・・・で済むことなのか??
いろいろなことが、表裏一体となっているのですね。
・・・まだ思考途中ですが、こんなことをあれこれ
考えながら読み終えました。
ブックレットの表紙は以前感想を書いた澤田教一さんの
ピューリッツァー賞受賞作品「安全への逃避」でした。
ベトナム戦争と日本 (岩波ブックレット―シリーズ昭和史)/吉沢 南

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「戦場 二人のピューリッツァー賞カメラマン」
ついでに、以前買ってちょっと見ただけでしまってあった
この写真集も久しぶりに取り出しました。
前述したカメラマン・澤田教一さんと、酒井淑夫さんの写真集です。
購入したときにすぐに見たものの、正視に耐えず仕舞ったままでした。
で、今見てもやはりまだ一枚一枚の写真を・・・なんてとても。
緊張感が途切れた瞬間の兵士の笑顔など、思わず止めていた息を
ようやく吐き出せるような穏やかな(?)写真ももちろんあります。
でも私がやはり好きなロバート・キャパの作品とはどこか違います。
キャパのは、もっと乾燥しているようなイメージなのですが
日本人二人のものは、とても生々しいのです。
この作品に表れてくる湿と乾の差は、人種的な理由によるものなのかな。
自分の意思でなく、誰かの命を受けてはじめた戦争のはずなのに、
当事者にならざるを得なかった一般人の皆様の表情の数々です。
う~ん、見るんじゃなかったな。
戦場―二人のピュリツァー賞カメラマン/著者不明

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