火星人であることを隠して地球人として生きてきた「セイ」が正体不明の「エルグ」という
異星人とともに故郷「火星」に渡る。
火星人からは「災い」として消されそうになり、また地球の情報部からも追われる。
滅亡に向かう火星の運命を知ったセイはこの運命を阻止しようとしますが...。
もう30年前の作品だそうです。
この作品では、2050年に地球ではまず最初の火星探索が始まったとされています。
昔読んだ頃は2050年など夢のように思っていたけど、今になってみれば私も十分この目で
見ることができそう・・・。
ブラッドベリの「火星年代記」だって、もう私たちがすでに通り越してしまった年代の話題が主だった。
SF的発想をする人にとっては、1千年や1万年くらいなんてあっという間のことなのでしょう。
先日新聞で読みましたが、小惑星「イトカワ」もおよそ10億年以内には滅亡なんて書いてあったし・・・
10億年なんて私たちにはとてつもない数字に思えるけど、SFとか宇宙にかかわる彼らにとっては
ほんの一瞬に過ぎないのですね。
いつ作品を読もうと、少しも古臭くないのはそもそも彼らの視点が、素人には想像もつかない
はるかかなたを見つめているが故なのでしょう、きっと。
望郷・迫害・運命・・・いつも萩尾作品の、特にファンタジーやSF系のお話に見られる
これらの想いや事件が満載で、ストーリーも秀逸ですが、やはりこのSF度の高さは
少女漫画の枠にはとどまるものではありません。
終盤、意外な展開とも言えますが、この終わり方は未来につながる希望をいつもながら
他作品と同様に含んでおり私自身はとても好きですね。
コミックス3巻で終わることができるとは思わなかった。それほどに壮大な作品です。
「火星・・・私の赤い星・・・」とセイがルビーのようだと言われる火星人独特の
赤い瞳を輝かせて火星に思いをはせる場面は忘れがたい名シーンだと思います。
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