私の両親は全集をバ~ン!と買い与えるようなことはありませんでしたが
ほしいと思った本はまず100パーセント買ってくれたのでそれはとても
ありがたいことと思っています。
小学館の全30巻の全集で、このうちの何冊かを持っていました。
他は何度も読み返したものですが、このフランス編2は、これを買ってもらった
10歳の頃以来の再読かもしれません。
理由はよくわかりませんが、ひとつには英語名はともかく、フランス語名に
なじめなかったのではないかな。
今だって・・・「三銃士」の登場人物はダルタニアンとアラミスしか
思い出せないし・・・あ、それは年齢的なもの??・・はは。
あとフランス自体がどこにあるのか、どんな国なのかもわからなかっただろうし。
収録作品は
「愛の妖精」 ジョルジュ・サンド
「きつね物語」 民話
「昆虫記」 ジャン・アンリ・ファーブル
「三銃士」 アレクサンドル・デュマ
の4編です。
「昆虫記」はここでは「せみの一生」のみ取り上げられていましたが、
ファーブルの昆虫記は好きなので全巻を別途読んでいます。
私は「虫、コワ~い!」という女の子ではなかったのだ・・・。
「きつね物語」はイソップみたいな感じだったと思うけど、今回は
時間不足で読みませんでした。
「愛の妖精」「三銃士」は名作と名高い作品ですが、やはりよかった。
対象読者が小学校上級~中学生ということで、完全訳とはいえないと
思いますがそれでもそれぞれのお話は厚手の文庫本くらいの分量はあり、
十分読み応えがありました。
「愛の妖精」は、仲のよい双子の兄弟と、「こおろぎ」と呼ばれる醜い
ファデットが愛を知ることで強く、また美しく変わっていくお話です。
恋愛の愛でもありますが、やはりメインは「神」の愛アガペーですね。
ファデットが双子の片割れのランドリーにふさわしい女性になるために
考えた「時間」ということ。
目先のことに捉えられがちですが、いい選択でした。
そして様変わりしたファデットが、心の弱い双子の兄の看病をし
さまざまに彼を諭して変えていくその言葉一言一言もまたすばらしかった。
子供向けの訳ではないものをぜひ読んでみたいです。
「三銃士」はユーモアもありながら騎士道精神貫くこれまた素敵なお話でした。
昔はイギリスとフランスの国情・・・というよりもそもそもどこにあるかも
知らなかったわけだけど、今は時代的なものも多少は知識としてあるから
ずいぶん楽しめたと思います。これも大人向けの完全訳を読んでみたいです。
文学というのは実用書と違って、すぐに効果が現れるものではないし、
そもそもそういうことを期待して読むものではないと思うけれど、
いつ誰が読んでも、心に感動という栄養を与えてくれるものなのですね。
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