「Chewing Gum」 山田詠美 | MARIA MANIATICA

MARIA MANIATICA

ASI ES LA VIDA.

久しぶりの山田詠美です。
あまり期待もせずに読み始めたのですが、感動しつつ一気に読みおえてしまいました。
は~、いいよぉ・・・この小説。
私のナンバー1だった「無銭優雅」を越えてしまったかも。

日本人女性ココと、米国人男性ルーファスの出会いから結婚に至るまでを
男女それぞれの視点から交互に綴った小説で、山田詠美の現実の結婚が
モデルとなっているよう。

相変わらずの美しい言葉による感情や情景の表現に、何度も涙腺を刺激されてしまった。
「一緒に雨を見よう」と、雨を二人で眺めるさまなど、映画のワンシーンを読むようでした。
文字だけなのに・・・・泣かせてくれるのですねえ。

ロスチャイルド家の奥様のお話に違和感を持ってしまったのも、何かこう計算や
演出を感じさせる部分が多々あったからで、私にはやはりこんな風に本能のままに
生きる詠美スタイルの方がずっと好きだと思う。
だからといって、詠美が礼儀やマナーをわきまえない女性かと言うと全く
逆なのだけど・・・でもこれはわかる人がわかればいいと思う。

私が日々思うことも結局そういうことで、いちいち誰かに行動や感情を
説明してまでわかってもらわなくてもいいのだな~と改めて思うのでした。
そうした方が楽なのはわかっているけれども、自分にとって・・・と考えると
必要なのは言わずとも、説明せずとも、わかる人だけなのですね。
マニュアルは様式として必要なものだけれども、頼りになどならない。
私は詠美の小説とともに、これからも潔く、元気に生きることを目指そうと
つくづく思いました。

残念ながら山田詠美とご主人は離婚されてしまったようです。
こんなにお互いを失うことを脅えながら、お互いを育てあってきたたふたりでも
やはり別れは、訪れることもあるのですね。
でもだからこそ一瞬が大事なのでしょう。
神の前で誓うのも、心が移ろいやすいものだと誰もが知っているからに
他ならないですね。


チューイングガム/山田 詠美

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本日のBGM.
私にとっての3枚目のELT。これも良かった。今はまだ心地よいBGM状態なのが
正直なところですが、きっと歌詞を認識しても好みのアルバムだと思う。

eternity/Every Little Thing

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