キラキラの表紙、奈良美智(よしとも)のイラスト、工夫を凝らした装丁、
そして私の好きなアルゼンチンの名を冠していることに惹かれて読んでみました。
街外れにあるアルゼンチンビルに住む中年の女性ユリ。
街の人たちからは「アルゼンチンババア」と呼ばれている。
高校生のみつこは、父が妻(みつこの母)を亡くした後、
彼女と同棲していることを知り、愕然とする。
やがてアルゼンチンビルに父を訪ねたみつこ。
アルゼンチンババアの思考、行動に次第に癒されていくみつこ。
なんて感じのあらすじですが、ページの半分が英文なので
30分もあれば読めるような短編です。
はたしてこのお話はいい作品なんだろうか???
アルゼンチンババアの温かさとか魅力とかはわかるけど、
あまりにも淡々とし過ぎているような気がします。
自分を犯そうとしたいとこと、相変わらずいとこづきあいをし、
アルゼンチンビルに彼を連れていくとか、そんな心理ってあり得るの!?
とにかく私にはしっくりこない部分が多いような気はしています。
昔一度、多分「キッチン」だと思うけれど、彼女の作品を読んだことがあって
その時の印象が「げ~っ」というものだったのですね。
昔のことすぎて、何故そう思ったのかはもう覚えていませんが。
だから本当はもう読むこともないだろうと思っていたのです。
正直、ペンネーム自体も私の好みからは程遠いし。
ただこのところ、食わず嫌いで読まずにいた本や、昔は嫌悪感を持った本が
今になって読んでみたら「意外にいいじゃない!」ということが続いているので
あまり一度や二度の印象にとらわれないようにしてみようかと思っていたところに
この装丁の素敵な本に出会ったので読んでみたわけです。
でもここまで装丁にお金をかけて凝る必要があるのかな、と言う気もします。
だって「小説」ですよ・・・それもごくごく短い。
絵本としてカテゴライズされているのなら別とは思いますが。
そしてそれとは別に、ちょっと確認しておきたいことがひとつあります。
そのことも含め、今のよしもとばななについて私が感じたことを書くのは
もう1冊用意してある本を読んでからにしようと思います。
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