「ラヴァーズ・キス」 | MARIA MANIATICA

MARIA MANIATICA

ASI ES LA VIDA.

吉田秋生の作品です。私は「コレ」で、吉田秋生の虜となりました。

元々好きな作家ではあったけど、なんとなくなじめない部分もまたあったんですよね。
それは絵だったりストーリーだったり、その作品にもよるんだけど。
好きなのに、あと一歩何かが足りない・・・という私を一撃したのでした。

鎌倉の高校生たちの、恋愛だったり片想いだったり、いくつかの重たいテーマを
交差させながらのお話です。
吉田秋生にも恋愛モノはいくつかあったと思うけど、こんな感じの作品は
私には初めてで、彼女の繊細なんだけど女々しくものごとを描かない様が
本当に私のツボでした。
ちょうど絵も変わり始めていたころなのかな?
きりっとした清潔感のある絵もまた、私好みになっていました。
残念ながら、萩尾先生にはこういう恋愛ものは描けないだろうと思うし、
他の作家の作品(漫画・小説問わず)を思い浮かべても、
この作品については私の好きな詠美でさえも、追いつけない部分が
あるように思えます。

「切ない」という表現を、最近使わないようにしようと心がけているのですが
(だってあまりにもお手軽で陳腐)、この作品はもうその表現意外の他に
何があるのだろうと思います。
忘れていたものや人、自分に足りなかったもの・・・そんな形にならない想いが
読んでいる間も、読み終わった後も、自分の周りをめぐっているようで
なんとも言えない、苦しいような気分になりますねえ。

私は漫画に関してはかなり保守的なので、比較対象はごくごくせまい範囲に
なってしまいますが、私のベスト5に入るかな~と思います。
機会がありましたら是非。





追記 リヴァー・フェニックスくん似と伺って、早速比較してみたら確かに。。。
「スタンドバイミー」の記憶しかないので、ロン毛の彼は意外だけど、藤井朋章、確かに似てる。

Maria maniatica

Maria maniatica


文庫版もありますが、やはり少しでも画面は大きい方がいいですね~♪

ラヴァーズ・キス (1) (別コミフラワーコミックス)/吉田 秋生

¥407
Amazon.co.jp

ラヴァーズ・キス (2) (別コミフラワーコミックス)/吉田 秋生

¥407
Amazon.co.jp


ついでにこれも再読しました。
これはこれでひとつの時代を築きましたね。こういう都合のよすぎるお話はいいと思わないけど、
出てくるインテリアとか植物、小物、背景のセンスは抜群だと思う。


田渕由美子 作品集★1 フランス窓便り/田渕 由美子

¥630
Amazon.co.jp