元々好きな作家ではあったけど、なんとなくなじめない部分もまたあったんですよね。
それは絵だったりストーリーだったり、その作品にもよるんだけど。
好きなのに、あと一歩何かが足りない・・・という私を一撃したのでした。
鎌倉の高校生たちの、恋愛だったり片想いだったり、いくつかの重たいテーマを
交差させながらのお話です。
吉田秋生にも恋愛モノはいくつかあったと思うけど、こんな感じの作品は
私には初めてで、彼女の繊細なんだけど女々しくものごとを描かない様が
本当に私のツボでした。
ちょうど絵も変わり始めていたころなのかな?
きりっとした清潔感のある絵もまた、私好みになっていました。
残念ながら、萩尾先生にはこういう恋愛ものは描けないだろうと思うし、
他の作家の作品(漫画・小説問わず)を思い浮かべても、
この作品については私の好きな詠美でさえも、追いつけない部分が
あるように思えます。
「切ない」という表現を、最近使わないようにしようと心がけているのですが
(だってあまりにもお手軽で陳腐)、この作品はもうその表現意外の他に
何があるのだろうと思います。
忘れていたものや人、自分に足りなかったもの・・・そんな形にならない想いが
読んでいる間も、読み終わった後も、自分の周りをめぐっているようで
なんとも言えない、苦しいような気分になりますねえ。
私は漫画に関してはかなり保守的なので、比較対象はごくごくせまい範囲に
なってしまいますが、私のベスト5に入るかな~と思います。
機会がありましたら是非。
追記 リヴァー・フェニックスくん似と伺って、早速比較してみたら確かに。。。
「スタンドバイミー」の記憶しかないので、ロン毛の彼は意外だけど、藤井朋章、確かに似てる。


文庫版もありますが、やはり少しでも画面は大きい方がいいですね~♪
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ついでにこれも再読しました。
これはこれでひとつの時代を築きましたね。こういう都合のよすぎるお話はいいと思わないけど、
出てくるインテリアとか植物、小物、背景のセンスは抜群だと思う。
田渕由美子 作品集★1 フランス窓便り/田渕 由美子

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