お相手は、野坂昭如、小島信夫、大島渚、井上ひさし、島田雅彦、谷川俊太郎、
佐伯一麦、吉田ルイ子、瀬戸内寂聴の各氏。
面白いのもあれば、面白くないのもあり・・・じゃ身も蓋もないけど、
男性陣で面白かったのは、野坂昭如、大島渚、佐伯一麦の3名かな。
それぞれ日本文学について、男性のカッコよさについてなど語っていたけど、
このあたりの面々とは彼女も価値観がすごく一致しているみたい。
特に私は読んだことがないけど、佐伯一麦との対談はなんだかちょっと
道を外した文学少年・少女同志みたいで、すごく青春を感じてしまった。
この方の作品はぜひ読んでみたいな。
で、井上ひさし、谷川俊太郎あたりになると、彼女にどう接したらいいのかと
逡巡しているのか、やたらと男性二人が饒舌になっている感じ。
その点、野坂昭如は全然動じずマイペースで山田詠美も全然構えることがなく
とてもいい感じの山田詠美の文学のあり方、みたいになっていたと思う。
野坂氏のリードがお上手なのでしょうねえ。
でも3人とも、とても紳士でした。
島田雅彦はデビュー当時何冊か読んだけど、いまひとつだなと言う印象があり
その後どうしているのか(確か湾岸戦争のころに作家の集団みたいなのを
作って活動していたような気がするけど)知らないままでした。
時々詠美のエッセイなどに名前は出てくることはあっても、なんとなく
この二人~?という違和感はあったんですよね。
今回は二人が敬愛すると言う三島由紀夫について語り合っていたけど、
島田雅彦・・なんだろ?めんどくさい人だな~と言う印象ですかね。
文学者としてよりも評論家しちゃってて、話がつまらなかったです。
語り過ぎ、分析しすぎだって。
そして小島信夫・・・私はこの方も全く知らない作家なのですが
(芥川賞作家だそう)、ホントによくしゃべるな~、と言う感じ。
この方も山田詠美の文学をやたらと分析して、さらに賞賛しているんだけど、
その感じが、少し前に読んだ森博嗣と土屋賢二の対談の中での
土屋先生に良く似てるんですね。
たまたまなのかもしれないけど、お二人とも東大卒・・・なんだけど
まあその中でも僕はちょっと、例外的な落ちこぼれ東大生でね・・みたいなね。
そういう感じを言葉の端々に感じてしまうんですね。
自分を貶めるようなことを言っては、相手に同意を求めるんだけど
あの時の森氏は「イヤ別に、そんなこと考えたこともない」という
むべないお返事だったし、詠美はほとんど無言状態。
いいじゃないですかね~、東大であることに引け目感じなくたって、
と言う感じがしましたね。
吉田ルイ子さんはフォトジャーナリストとしてのお名前は知っていましたが
人となりは、なんとなくこの対談で感じることができたかな。
詠美とは共通の話題もあって、差別意識についてを男らしく語り合っていて
いい感じでした。
で、トリは瀬戸内寂聴さん。
いや~詠美との年の差37歳・・・それをものともせずに煩悩を語る姿に
感動しました。ほとんどこの方の作品は読んだことないけど、いずれ
読んでみたいと思いました。
前回読んだ対談は、詠美がホステス役で結構楽しんでいたように思えたけど、
今回のはいくつかの雑誌などでかわされたものをまとめたもので、
おそらく出版社のセッティングであまり気が乗らないのに・・・というものも
あったりと言う印象でした。
でも思いもかけず、へえ、この作家はいいかもなんて発見もあるので
読者にとってはこの手のものは、また捨てがたいとは思います。
・・・にしても、私の読書傾向は本当に偏っていることを実感です。
名作とか有名作品、全然読んでない・・・。
最後に対談相手ほぼ全員からの後書きが寄せられていて、それがとても良かったです。
さて・・・3日で2冊読書計画、数えてないけど今のところ順調だと思います。
とはいえ、来月私にとっては超・難関の試験が控えているので、これから1カ月は
このペースは少し控えます。
レベルチェックしたら、受験するのにふさわしいのは「B1」と出てしまった。
そのレベルはもう合格していて、今度受験するのは「B2」なんですよ・・・。
退化してるってことじゃないですか・・・まずいまずいまずいまずい・・・・まずいよ。
というわけで、世間的にはイケナイと言われている「詰め込み教育」に、しばし邁進しま~す。
は~、受験しに行くのが無駄な気が・・・超・弱気だ。
対談集 内面のノンフィクション (文春文庫)/山田 詠美

¥470
Amazon.co.jp