いきなり「てめえの」などと言う言葉が出てきてちょっとびっくりしましたが、
「サンスト」で語ったことを、書籍化したものだったからなのですね。
三十路の甲斐さんのお言葉の数々、大変面白く読みました。
「荒馬」も「かさぶた」もそれぞれ良かったけど、書いた文章は推敲がきくし、
対談類は相手があってのことだから、それなりの気遣いもあったと思う。
そういう意味では、ライブ感のある内容で、甲斐さんのある時期の考えが
一番明確に伝わってくる気がしました。
もうちょっと、私の聞いていた時代のことが知りたかった気がするけど
まああまりにも古いことだし、仕方ないですよね。
で、これは内容とは無関係なことですが、翻訳も含め、こういうテープ起こし?
みたいなところからの文章化は、その作業者のセンスと語り手への思い入れって
すごく大事だなと思いました。
ひとつの単語にしても、それを漢字にするかカタカナにするかで、印象は全然違う。
1時間ほどの番組の中の、ある一部分だけを切り取って見せるわけだから
下手をすると誤解を招くこともあるだろうと思うのです。
難しい仕事だとは思いますが、そういう点が少し気になるところもあったかな。
熱狂的甲斐ファンがした作業だったら、また微妙に印象が違っていたでしょう。
語った内容は変わるわけじゃなくても、文字面の表現方法でニュアンスは
全然違うから、すごく大事なことだ、なんてことを思いました。
次は「稲妻日記Ⅱ」に参りま~す。
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