スペイン 36 | MARIA MANIATICA

MARIA MANIATICA

ASI ES LA VIDA.

1989年2月中旬 (日付不明) Ⅱ


我が家の新メンバーです。


1)グース (西ドイツ) クラスも一緒です。
ある部分は私とものすごく似ていてよく理解できるけど、

ちょっと気が合わないなと感じることもあります。
とてもおとなしくてコンベルサシオンの時も「わからない」ということが多く
私の知っている、自分自身の意見をはっきり持っていたドイツ人たちとはちょっと
違うなと思います。


友人がなかなかできないなんて、私みたいな悩みを持っているのだけど
毎日学校に一緒に行って同じクラス、同じ家に住んでいるのに、貸した本を
直接返さず食堂のテーブルに置いてあったりするとがっかりします。
でもこちらから話しかけるとものすごくよくしゃべるので、

そういう点はやはり私に似ているなと感じることもしばしばです。
前にこの家に3か月いたことがあり、その時の友人ユーイチローがまだ
サラマンカ大学で勉強していると言うので楽しみにしていたそうです。


先日そのユーイチローが家に来たのですが、この人の顔は私前から

知っていたけど、絶対に私と目を合わさない日本人の中でも、

特に(いやな感じ)と思っていた子だったのでした。
この人と会った日は心から憂鬱になってしまうことがしばしばでした。
そしてまたいつも彼と一緒にいるアキという女の子も、今まで「こんにちは」と
挨拶しようが会釈しようが、知らん顔だった。
それ以上は近づいていけない私・・でも無視されるからって無視し返したら負け!
なんて思って相手がどういう態度をとろうと、私はとにかく自分が納得いくように
しようとは思っていましたけど。


NIVEL(レベル)は二人とも多分とても高いと思うので

それもあるのかもしれないけど、お付き合いしてくださいとか、

お食事しましょ、と言っているわけでも何でもなくて挨拶だけなのに。
今だにこの二人に会うと自己嫌悪に陥ってしまう私なのです。


そのユーイチローが昼食時に家に来たのですが、私とかおりちゃんには

目もくれずグースとだけ話してさっさと帰ってしまいました。
その後グースと私はちょっとけんかみたいになってしまいました。


グースがうれしそうに「彼を知ってる?」と聞くので、
「知ってる。11月からずっと、毎日道で会うけど絶対に挨拶しても挨拶返さない
というか
今もそうだけど私を見ようともしないよ。悪いけど私は好きではない」
と答えたら、
グースが「ドイツ人だって道で会ったって挨拶しないよ」と。

「1,2回ならそうかも知れないけど、もう3か月以上何回会っても
知らない顔してる。今だってなぜこっちを見ないの?
あなたが彼だったら同じ事する?絶対普通じゃないよ!」と言ったら


No se(わからないよ)」と答えが返ってきました。


私があまりにも興奮してしまったのでマリア奥さんも驚いてしまいました。
後でかおりちゃんが「私も今日だけであの人4,5回見てますけど、
一度もこっちを見ないですよね」と言ってました。
でもグースの友人なのに悪いこと言ってしまったなと思って
「さっきは言いすぎちゃってごめんね」と謝っておきましたけど。


その後、グースは一度もユーイチローとは会ってないと言っていました。
そしてグースは相変わらず友人作りが苦手だと言っています。
なんだか同病相哀れむじゃないけど気の毒。
でも、マリア奥さんとは気が合うみたいでふたりで4,5時間は

平気で話しています。


2)かおりちゃん 19歳(今月20歳)アメリカの大学に留学しており
そのプログラムでスペイン語研修に来ています。
お金持ちのお嬢様みたいで、来年はドイツ語研修に参加する予定だそう。
すごいなーと言う感じ。スペイン語は始めたばかりでまだまだだけど、
英語はかなりできるし、すぐに私など追い越されれてしまうでしょう。
将来何になるのか楽しみです。
若いから、あの男の子がかっこいいとか、お洋服とかお菓子の話が

中心だけどとても明るくてかわいい、いい子です。


3)シンディー アメリカ人。かおりちゃんと同じ大学から研修に来ている。
もの静かな知的美人という感じ。
でも食事が口に合わないらしくてほんの少ししか食べません。
かおりちゃんの話によるとあとでバーガーキングとかクッキーを食べてるそうです。

今や我が家では私とかおりちゃんだけが食欲旺盛で、よく食べる人が

ほかにいないので私たちの大好きなおコメ料理がとても多くなってきてうれしい。
でもさっきも書いたようにシーンとした食卓で、私かシンディーが話をしないと
誰も話さない。
時々、かおりちゃんが日本語で「彼(グース)と食べるのは疲れますね」といいます。
正直本当です。
前(11、12月)は4人の女の子で騒がしく出されたものはほとんど残らず食べていたのに
今は半分近く残ってしまうのです。
マリア奥さんも張り合いなくてがっかりしていることでしょう。

つづく・・・