パナマ編も終わってないけど、別に
誰かが待っているわけでもないので・・・。
12月は私の頭の中がスペインでいっぱいになる月。
いろんなことがあったから。
今日8日は特に思い出深い日のひとつ。
はじめてひとりで旅行に出た日だ。
住んでいた町からマドリッドまでバスで3時間。
マドリで一泊し、翌朝地中海沿岸のリゾート地
アリカンテに友人を訪ねていった旅。
マドリからバスで6~7時間ほどだったかな。
7日の夜、ひとりでレストランに行き、ワインを
頼んだ。
スペインはミネラルウォータよりワインが安い。
その値段だけ見て、ついうっかりグラスワインと
思って頼んだら、ハーフボトルが来てしまった。
もったいなくて全部飲んだ。
ふらふらになりながら、それでも手紙を書いていた。
翌朝、8時のバスに乗るためにバスターミナルへ。
スペインの夜明けは遅くて、朝8時はまだ真っ暗だった。
ものすごく早くついたのに、何も確認しないでいたら、
出発直前に違うバスターミナルだということがわかり、
あわててタクシーでそちらへ向かった。
タクシスタ(タクシーの運転手)とすったもんだあって
結局乗り遅れ、1時間遅れのバスに乗ることになった。
現地で待っていた友人を1時間も待たせてしまった。
10日くらい日本語を話していなかったから、
思い切り日本語で話せて大変幸せな3日間だった。
地中海は濃紺で、12月なのに泳いでいる人もいた。
でも他に何も覚えてない。
写真も、驚いたことに友人宅で写した1枚と
帰りにマドリッドで風景を写したもの1枚しかない。
その理由が何なのかまったく思い出せない。
とにかく写真も町の記憶もほとんどない。
不思議だ~。
覚えているのは、またその夜もワインをしこたま飲んで
めちゃくちゃ酔っ払ったこと。
もうまったくそのあたり記憶がないけど、友人の話では
その辺の人にやたらと話しかけていたらしい。
やだやだ。
帰りのバスの切符をなくし、宿のガラスコップを
粉々に割り、失敗だらけであった。
このときの友人からおととしの秋、突然連絡が来て、
去年20年ぶりにあった。
それがきっかけというわけではないけど、他に3人
スペインにかかわる人から連絡をいただいたり、
自分から連絡をして、近況を確認することができた。
ギタリストとして修行していた友人は私の帰国の後、
国際コンクールで優勝したのだそう。
それで、私はこの20年間を振り返って、
自分は何一つ成し遂げていない、ということを
ものすごく恥じた。
帰国して時、私がスペインから書いた手紙を
受け取ったスペイン語学校の先生がすべて
まとめて下さっており、記録だからと私に
戻してくれたけど、もう一度読み返すまで
10年かかり、それも重さに耐え切れず
途中で投げ出した。
そしてさらに10年、つまり20年たって、ようやく
すべてを読み通すことができた、というわけ。
ずいぶん、自分なりにがんばっていたな、と
思うのと同時に、やっぱりそれなのに今、
何もできていない自分をものすごく恥ずかしく
思った。
マドリで酔って書いた手紙にこんなことが
書いてあった。
Aunque yo hubiera hablado espanol
perfectamene, no podia ser una persona
mejor que mi opinion la que he tenido.
?Podeis enender lo que quiero decir?
Si hay una persona que puede hablar bien,
eso no significa lo que el (ella)tiene
buena personarida ni inteligencia.
Yo lo creo.
もし私がスペイン語完璧に話せたとしても
私は自分の考えていること以上の人間には
なれない。
私の言いたいことがわかりますか?
もし、スペイン語を上手に話せる人がいたとしても
その人の知性や人間性が優れているということに
はならない。
私は、そう信じています。
今でもこの気持ちはまったく変わらないですね。
つづく・・・