ヒトロシくん | MARIA MANIATICA

MARIA MANIATICA

ASI ES LA VIDA.

私のダーリンでもなんでもありません。
人生で最大の天敵、それがヒロトシくんです。


ヒロトシくんは私がスペインに行って
2ヶ月目に進級したクラスにいた同じ年の
日本人。

もう半年も前からいるということで、
私のスペイン語が下手だと、いつもけなす
いやーーーーーーーーーーーーーーな
奴だった。

大体、半年前からいて、なんで私と同じ
クラスなのさ・・・と思いつつも、ワタクシは
大変、内気なので黙っておりました。


このヒロトシくん、おうちがものすごくお金持ち
なのだそうで、一生そのお金もなくなることは
ないんだとか、まあいろいろ、ワタクシが
おとなしいのを良いことに、色々語って
くれました。


で、その親のお金で、大好きなオペラ歌手を
目指してヨーロッパのあちこちでお勉強を
していたそうなんです。


1988年12月7日のこと(ちゃんと覚えている)。
授業の中に、自分の調べたこと、考えたことを
発表し、それについてみなで討議するものが
あって、その日は彼の番でした。


で、彼は歌を歌ったんですよ~。
ものすごい声量のすばらしい声で!!


曲はモーツアルトのオペラ「魔笛」から、
パパゲーニョ・・・私はオペラ苦手なんですけど
(特にソプラノのアリアを聴くと、なぜか
笑いが止まらなくなってしまうのだ。)
これはちょっと家にあったのでたまたま
知ってただけ。


いや~、訓練された声って本当に凄いんですね。
で、その歌が終わると、いつもは私の味方で
ヒロトシ嫌い~!って態度ありありのクラスの
ドイツ人二人が頬を高潮させて「感動した!」
って、立ち上がって、両手で握手、抱擁なんて
感じで、私もその様子にえらく感動しました。


教室はいくつもの小さい部屋に分けられて
あちこちで授業があったのですが、歌い終えた
瞬間にどの教室からも拍手やら、足を踏み
鳴らす音やら、叫び声がいっせいに聞こえて
きて、もう大騒ぎ。
大変に感動的でした。

え?それで見直したかって?
いや、全然。
私の人生の最大の汚点は、遠くから来る
友人を待っていたその年のクリスマス・イブ。
もうヨーロッパの友人はみな家に帰っちゃって
ひとりですごすのもな、と思っているときに
ヒロトシに誘われて、一緒にすごしたことだ!!

あとになって「百億の昼と千億の夜」の中で
阿修羅王がシッタータに言った
「人間とは、孤独よりも悪とともにあるほうが
良いと見えるな」という言葉を実感として
感じました。サイテー!!

当時書いた文章・・

「昨日ヒロトシに「あんたっていつも同じ
洋服だね」と言われてしまった。
ちょっと、言っときますけど、これは
ケンゾーとヨージヤマモトだからね!
全く失礼だ。
私だって必死で、あれこれ少ない服を
やりくりしているのに・・・云々。」

などと彼についてのうらみつらみは
まだまだ山ほど残ってますわ~!!

でも、こうやって歌で人を感動させることが
できるってことは本当にすばらしく、また
うらやましいことだとつくづくとは思いましたけど。

何かこういうことができるようにならないかな~。

今日はオペラの魔笛、じゃなくてスペインの
作曲家ソルによる「魔笛の主題による変奏曲」です。
佳織様のが見つからなかったけど、代わりに巨匠
アンドレ・セゴビア様の名演奏。

さすが!の演奏でございます。