ファラリスの雄牛
いや、紛れも無く、君は優秀な医師であるし
さらには使命感ともいうべき、崇高な魂を
持ち合わせている稀有な人間だからこそ、
ボクは言うんだがね、
いまや医療という世界そのものが、
ファラリスの雄牛になってるんだよ。
医学部では、栄養学を学んだかい?
生物の歴史はどうだい?
せめて、単細胞生物が誕生して、
ミトコンドリアが細胞に寄生しはじめた時代
くらいからの地球の過去を知らなくちゃ、
人体はわからないと思うんだ。
・・たとえば「ホッケースティック図」と
呼ばれる、気温とCO2の相関グラフを
君も知っているよね?
あれだけ見ると、あたかもCO2の増加が
気温を高めているんじゃないかと
錯覚しがちだが、地層学が調べ上げた
過去5億年の気温変動は、ことごとく
「太陽活動」とリンクしている。
専門家でなくとも、地球にとっての
熱エネルギー源は?って問われたなら
一番に、太陽だ・と応えるだろう?
残念なことに多くの科学者たちが、
研究費につられて事実に目を塞ぎ、
社会に迎合することで、
生き延びようとしているが、
これでは本当に必要な研究が、
おろそかになり、
人類の不利益になるのは、
火を見るより明らかじゃないか。
現在、400ppmの二酸化炭素を
いったいどれだけ減らせば、
気温が下がるというのだろうか・・
植物学者によると、150ppmがCO2の
デッドラインで、それ以下になると
植物は枯死するという。
植物が育たない・となれば、
当然のことだが、
すべての動物は死滅する、もちろん、
我々人類も含めて、だ。
かつて(産業革命以前)は、180ppmにまで
低下したことも明らかになっている。
CO2という命の糧を地下から取り出して、
ふたたび大気へと返した人間の活動こそ、
この地球にとっては、奇跡と呼べるはずだ。
福音派の君なら、わかるだろう?
あ・・、すまないが、
「ファラリスの雄牛」についての話は、
また日を改めてすることにしよう。
いやなに・・玄関のチャイムが
さっきから、鳴っているんだよ。
きっとウィグナーの友人が、
シュレーディンガーを連れて来たんだろう。
