シェルヘン/ライプツィヒrso.


最近CD屋でメッキリ見ることがなくなったこのCDを取り上げてみたい。

ライプツィヒ放送響と聞くとルイジとパッと反応する人はそんなに多くないと思う。むしろケーゲルとにやつきながら自信たっぷりに答える人たちのほうが多いかもしれない。

ケーゲルについては1970年代後半のライブについてはすさまじいものを感じる。しかし60年代については正直な話、あまり引き込まれることが少ない。


そんな折にこのCDを手にしたので、久しぶりに聞くことにした。

シェルヘンについてはご存知のフランスでのマーラーの5番が有名であるし、このCDを購入したきっかけもそんな発狂ライブを期待していた。

そんな期待をして3番を聞くとどういうわけか、マトモな演奏なので肩透かしを食う。シェルヘンならばカットをしてナンボと言いたい。突っ込みどころが少なく飽きてしまった。オケはハッキリ言ってヘタクソだ。とはいえ、目を閉じて心安らかに聞けるという類でもない。

しかし3枚目にあたる6番を聞くと、同じ時期の録音のはずなのに、明らかにテンションが違う。おそろしくテンポが早いことに目を大きくして食らいついてしまうのである。しかもカットの施しようがこれまたすごく繰り返しは絶対にない。演奏時間は4つの楽章をあわせて53分45秒。

オケは繰り返しになるがヘタクソだ。ただホルンが吠え、打楽器が炸裂するのは好印象だ。ちなみに2楽章と3楽章は入れ替わっていて、2楽章にアダージョ、3楽章にスケルツォが入っている。しかしもってどうもパッとしない。

4楽章になるとやっとシェルヘンらしさがでてくる。それまでの3つの楽章がやる気がないように感じられる。中間楽章が本当に好きじゃないんだろうなという気持ちが伝わってくる。

全体を聞いてもどうも何が面白いのか良く分からないまま終わってしまった。気合だけで弾きとおしたという印象だ。破壊的なのは間違いないのだが、世界が崩壊していくような壮絶なものではなく、ちょっと足を止めて通り越しにあるビルを壊している様子を見ているようにしか写らない。このCDを買ったころものすごく感動した記憶があるが、年のせいだろうか。。。

ちょっとしたトリビアではあるが、このCDは4枚組みのうち、2枚がボーナスCDというのが驚きである。


マーラー:
交響曲第3番
交響曲第6番
亡き子をしのぶ歌
交響曲第10番~アダージオ
交響曲第8番~第1部*
指揮:ヘルマン・シエルヘン
アルト:ソナ・セルベナ
ライプツィヒ放送交響楽団
ベルリン国立歌劇場管弦楽団*
(1960年10月1日、4日ライプツィヒ・コングレス・ハレ、ライブ録音)
CD番号:TAHRA TAH 147