International Conference (国際学会)
国際という言葉を使うとき気を付けなくてはならないことについて以前投稿した。
国際 (international)とは
nation(国)と nation(国)の inter(between 間・際)にあること
日本にいると、
日本語だけを話して暮らしていると、
International という英語をみただけで、
”コクサイ”という音声をきいただけで
海外にいくこと、
海外でやること、
と反射的に思い込んでしまう。
国際学会とはどこで開かれようと、複数の国の参加者が集う学会をさしている。
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人文系学問の研究者として、私はこれまでいくつもの国際学会に参加した。
多くはアメリカで開催されたものであるが、ロンドン、フィレンツェなどの学会にも参加したことがある。
われわれの業界で一番大きな国際学会は
Modern Language Association(近代言語学会)
というものでわれわれはMLA(エム・エル・エー)と呼んでいる。
年に一度、アメリカの大都市で行われる学会で、
人文科学関係の学会の総会といった感じである。
年明けの1月4日あたりからの数日、この学会が開かれる都市へは1万人以上が全米、全世界から集まってくる。空港のゲートでも開催都市へのフライトを待つ人らしき人たちの姿を見ることが多い。
ニューヨーク、サンフランシスコ、ロスアンジェルス、シカゴ、そしてニューオーリンズなど開催都市のホテルは学会会場となるばかりでなく、宿泊者で満室だ。
学会参加者には、学会の開催期間、ホテルの特別料金が設定され、通常の半額くらいで高級ホテルに泊まることができる。
コロナ騒ぎ以降、参加の機会を持てないでいるが、年に一度のアメリカ行がわれわれの恒例行事となっていた頃が懐かしく思いだされる。
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もう少し小規模の国際学会もある。
アメリカ西海岸中心のPAMLA(Pacific Ancient and Modern Language Association ) はカリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州など西海岸で秋に行われる。
この学会では、研究発表をしたこともあり、さらには、パネルを企画して研究者仲間とシンポジウムを行ったこともある。
アメリカの大学の研究者仲間と日本の大学の研究者仲間が一つのテーマについてペーパーを読みあって討論する。批評家ポール・ド・マンや哲学者ハンナ・アレントをめぐるパネルを企画運営した。
2012年シアトルのPAMLAで行ったシンポジウム
終了後パネリストたちとの写真をとる。
この後、みんなで打ち上げの食事にメキシカンレストランへ出かけた。
おりしもハロゥイーンの日であった。
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個別作家を研究する学会もある。
私の専門の一つ、十九世紀アメリカ作家ハーマン・メルヴィルの国際学会。
2017年ワシントンDCで開催された。
この時はシンポジウムではなく、個別のトピックの研究発表をした。
私の発表のタイトルは
The South Sea in Cultural Imagination of Nineteenth-century America
Nautical Novels of Herman Melville
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国際学会と言っても海外で催されるものばかりではない。
2015年6月
国際メルヴィル学会が
慶応義塾大学三田キャンパス
で行われた。
主催する側になったわれわれ日本人研究者は、2年前から準備を始めた。
大学側と予算の交渉、会場となる場所の予約、軽食やコーヒーの手配、海外から来る研究者たちのホテルの世話などなど。
大学院生のアルバイトたちも動員して学会は無事に終了した。
パワーポイントが人文系学会発表に使われるようになったころで、私は初めて学会発表でパワポを使用した。