”相変わらずかわってるね~” シリーズ第四弾
日本社会で ”あたりまえ” とされていることに対する違和感を表明しています。
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七十代の同世代の友人たちと旅行すると、皆、クスリを入れた袋を持参する。
食後はみんなでクスリ祭りだ。
それを眺めている私。
「え~、何も薬を飲んでないの~?」
と驚かれ、そして心配される。
「大丈夫? 血圧は? 血糖値は? コレステロールは?」
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昔から薬、西洋医学で処方される薬が嫌いだった。
抜歯したあと出される抗生物質は指定された量の半分を1,2日飲んであとは捨てた。鎮痛剤というものもほぼ飲まない。
ただ、血圧にたいしてだけは、薬を受け入れたことがある。
60歳になったころ、血圧というものが気になり始めた。自宅で測ってみると140とかひどいときは150とかいう数字が出てくる。
ちまたでは130を越えたら高血圧とか言っているし・・・
医者に相談したら「降圧剤を飲むという選択肢もありますね」という感じ。
では一度試してみようということに。
「では一番少ない量を出して様子を見ましょう。」
医者が薬の処方箋を書いている脇で、私は言った。
「私、薬を普段飲まないので、薬に対してすごく感度がよいと思うのです。
なのでその一番少ない量の半分くらいから始めさせてもらえませんか?」
そんな量では効かないという医者との押し問答の末、規定の半分の量で投薬開始。
医者は不満げである。
「そんな量では絶対に効きません。学会で決められた処方量があるのですから!!」
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医学的には規定量の半分といわれる薬を、結局2,3年服用した。
月に一度の血圧測定では130と80後半という安定した数値が続く。
「先生、半分の量で効いたって学会発表できますね」
と私の皮肉。
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その後、私は降圧剤をやめた。服用する量を20%減らし、40%減らし、70%減らしと言う形で結局断薬してしまった。
今、血圧はどのくらい?
しりません~ん。測っていないから。
私の高血圧数値、どうやら血圧測定器が出す ジ~ という音へのストレスから高くなっているらしい。
医者の前では血圧があがるという白衣高血圧というのがあるが、私は逆。
医者がシュッシュと空気を入れながら測るときは安心感からか低い数値がでる。
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日本人は世界の人口の2%にしか過ぎないのに、薬の使用量は世界の30%という異常な数値を叩き出しているという情報がある。
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一人暮らしの母が亡くなって、住んでいたマンションを整理したとき、戸棚一杯に薬があふれていた。
彼女は西洋医学信仰の人だったから、処方された薬をきちんと飲んでいたはず。
それでもこんなに飲み残しがあった。
どれだけ薬が出されていたのかと思う。