星野温泉近くの 石の教会(内村鑑三記念堂)を訪ねるのは6回目くらいであろうか。
 
ハルニレテラスから1分の村民食堂で食事をしたあと、知人三人をつれて石の教会へ向かう。
 
入り口で係りの人が言う。
 
ただいま結婚式をやっておりますので少しお待ちください。
 
え~っ、先週も同じこと言われた~
 
待ち時間の間、左手の通路から教会全貌を眺める。
 
 
お待たせしました。地下の展示場から先にご案内します。
 
 
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枕木の階段を下りていくと右手に教会が見えてくる。
      裏側から見るのは初めてだ。
 
地下展示場の入り口にたどりつく。
 
内村鑑三さんが使った文机。
 
無教会主義をつらぬいた内村鑑三の意図。
 
内村鑑三の自筆。

 

 

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この教会の建物がなによりユニークなのは
 
オーガニック建築
 
というコンセプトで建てられていることだ。
 
自然と一体になった石とガラスと樹木のコラージュ。
 
星野地区で研究会を催し、住み、この地で亡くなった明治の偉大な知識人。
 
無教会主義をつらぬいた内村鑑三の生き方そのものがこの建物に具現化されている。
 
内村鑑三という人物を記念するために、カナダの建築家が建てたという石の教会は、周りの自然と交信しながら刻々と姿を変えて、今、私たちの前にある。
 
 
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私の元夫の母親、つまり元の姑は、内村鑑三の姪にあたる人であった。
 
言い換えれば元夫にとって内村鑑三は大叔父ということになる。
 
元姑からは、小さいとき鑑三さんにかわいがってもらったとよく聞いた。
 
終活に入った私が住み始めた千ヶ滝は星野地域に隣接している。
 
散歩でしばしば石の教会の脇を通るのも、内村鑑三という人にアクセスして自分の過去につながり直す縁(えにし)のあらわれなのかもしれない。