international
日本語でもカタカナ表記でこのまま使われている。
インターナショナル
響きがなんかかっこいい~
言葉の意味を想像してなんかわくわくする
日本の社会には国際という言葉があふれている。
会社名、イベントの名前、会場や駅の名前などなど。
日本の大学では<国際>という文字を入れた学部が数多く新設された時期があった。国際文化学科、国際コミュニケーション学部などなど。
集客用ラベルとして<国際>という響きが効果を上げると思われているからだろう。
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国際という言葉を使うとき、われわれは国際といわれる場と自分との関係をどのように考えているのだろうか?
自分は国際的な何かの中に入りたい。
自分は国際という場から外れている。
多くの人は<国際(的)>空間の外に
自分の立ち位置を定めることから始め、そこに入ることを目指している。
例えば
英語をしゃべる自分になりたい、
海外で仕事をしたい
こうした思いにつきうごかされ<国際(的)>になろうとする。
今のまま、日本人のまま、日本にいるままでは<国際>という空間に入ることができないとわれわれは思い込まされている。
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<国際(的)>であるために人はどこに立つべきなのか?
決まってるじゃない。日本から飛び出して海外へ行くのだ!
では、日本の国土に足を付けている自分はいなくなるってことですね?
では、自分がまるごと別の場所に移動するわけですね?
では、海外に行って外国のどこかの土地に足を置こうというのですね?
では、英語をしゃべる自己像にむりやり自分を押し込もうとするのですね?
アメリカで出会う日本人の中に「英語しかしゃべらない」「アメリカで出会う日本人とは交流しない」という姿勢をかたくなに貫いている人がいる。
英語を話すあちらの人になったつもりの人の姿である。
何か不自然で、何か寂しくて、何か無理をしているように見えたのは、そうした人が自分の位置が定まらず、外国と言う地で漂っているように思えたからだ。
日本を去って、日本人である自分を消去(抑圧)して、
海外のどこかに自分の居場所を探しに行くことを
<国際人>になることと思い込んではいないだろうか?
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インターナショナルという英語の意味を確認してみよう。
internationalとは
inter と nationalの二つの部分からなっている
national は nation(国家)という名詞の形容詞形
では、interは?
inter とはbetween(~と~の間)のこと
international とは
国と国の間に立つという意味だったのだ。
母国語が通じ、育った文化を共有する日本からは距離を置くが
かといって
海外のどこかの国にどっぷりつかってそこの二級市民になるのでもなく、
国と国との間という見知らぬ場所に立つ
これが国際的(国と国の間にいる)の意味である。
不安定な立場である。勇気がなければ立てない場所である。
片方の足を日本にしっかりおろしたまま、異文化異言語の外国にもう一つの足をおろして立つ。
国際的であるとは、
きわどい(際どい)ことであるゆえに、
スリリングでチャレンジングなあり方なのだ!!!