もう一度マンハッタンに行こう。

 

コロナで海外へ行くことをすっかり忘れて3年あまり。2023年の春先、ふとマンハッタンの空気が心にやってきた。

 

年に一度は必ず訪れていた街。十年前には一年ちかく暮らした街。

 

地下鉄が駅に停車するとき車輪がきしる音が三つの音程の連続として耳に響いてくる。

 

コロナの影響で色あせていた風景の中にマンハッタンの景色が突然あざやかにせまってきた。

 

一つ障害があった。アメリカ合衆国は、入国に際してワクチン接種(二回)の証明書を要求していたのだ。正確に言うと、アメリカ往きのフライトを運行する航空会社がワクチン接種の証明を確認する任務を負わされているということらしい。

 

私はワクチンを一度も接種していない。世田谷区の65歳以上にどこより早く接種券が届いたとき「これは接種しないでおこう」と一瞬で決めていた。これも直感。

 

ワクチンについての否定的情報がネットやユーチューブで流れてきたのは後になってからである。

 

2月半ば、知り合いのご夫婦がハワイに行ってきたと言う。70代と80代のお二人がワクチン未接種であることは聞いていた。事の次第を問うと、規則の中に「ワクチンに対する禁忌という医学的証明書」があればその規制から外れることができるという。

 

紹介されたクリニックでその証明書を書いてもらえることを確認したのが3月はじめ。すぐさま6月末のJALの航空券とマンハッタン57丁目にあるヒルトンタイムシェアの予約を入れた。

 

あれから三か月。久しぶりの海外旅行の荷造りをしている。パソコン電源のコンセントは日本のままでよかったっけ?JFKから地下鉄に乗り換えるときメトロカードはどうやって買うんだったっけ?

 

アメリカのワクチン接種証明の規制は4月に入って解かれていた。

 

 

 

42丁目のニューヨークパブリックライブラリー横からクライスラービルを見る。

このライブラリーは資料集めで使う他、トイレ使用でも便利なところ。