現地最終日、私と明さんは紅茶で一番老舗のお店でお茶をしました。
私はこのお店の甘くて濃厚な紅茶が大好きです。
明さんは特にタピオカ入りの紅茶が好きです。
お店の直ぐ横にギリギリつめて5人がやっと座れるほどのベンチソファーがありました。
今既に3人が座っている状態です。
私がそこに加わり一番端の狭いスペースに私のバッグを置いて明さんが座れる場所を確保していました。
注文する為に並んでいる明さんの前にはテイクアウトをするお客さんが数人いました。
明さんが2人分の紅茶を持って私の前に来ました。
「ほらほら、そんな所に荷物を置いていないで、さっさと席をつめて」
私はその言葉にカチンときました。
「折角席を確保していたのに、何、その言い方。本当にいちいち煩い!私達、夫婦でなくて良かったね!」
明さんもすかさず、
「夫婦でなくて良かったね!」
と返す始末。
「奥様に対してもいつもそんなに煩く話すの?私に対してだけこんなに煩く話すの?!」
「奥さんはそんなに話す人ではないから。お口にチャックとは言われるけれど」
「もう本当に煩い!あと少しで旅行も終わるけれど、やっぱり(一緒に居るのは)一週間で限界だね」
実は前日に私に要らぬ発言をして、その後もずっと不穏な空気が流れていた最中の出来事でした。
その後、空港に向かうまでの時間、私と明さんは金子さんの部屋で再び話をしていました。
前回はHの消化不良で金子さんの前でも大人気なく怒りを露わにしていた私でしたが(2月26日過去記事『彼との海外旅行② その8・その9』)今回は穏やかに話に加わっていました。
私の怒りを図式で表すと、
Hの消化不良>>>口喧嘩
になり、人の三大欲求の中でも今の私は〝性欲〟が最も強いようです。
空港のラウンジでゆっくり過ごしたい明さんに合わせて、私達は早めに金子さんの部屋を出発して空港へ向かう電車に乗りました。
「あー、短かった。あーあ、この景色ともお別れだ」
「直ぐにまた来るじゃない?」
明さんは後ろ髪を引かれるようにじっと車窓を眺めていました。
「昔はこんなに建物も立っていなくて何もなかったよ。本当にこの街は発展してきた。これからもっと発展していくのだろうな」