リスク〈上・下〉―神々への反逆 (日経ビジネス人文庫)
ピーター バーンスタイン (著), Peter L. Bernstein (原著), 青山 護 (翻訳)
発売日: 2001/08

言葉の由来
リスクRiskという言葉は、イタリア語のriscareという言葉に由来します。
この言葉は「勇気を持って試みる」という意味を持っています。
この観点からすると、リスクは運命というよりは選択を意味しています。
私たちが勇気を持ってとる行動は、私たちがどれほど自由に選択が行えるかに依存しており、
それはリスクの物語のすべて。
この物語こそリスクが人類にとって持つ意味を明らかにしてくれます。

リスク管理(リスクマネジメント)とは
リスクの軽減・防止に向けて、色々なリスクが発生した場合の損害・損失に対して、
最小の費用で最大の効果をあげるための対策を計画・実行することです。


リスクマネジメントや確率論の必要性
遠い昔には、農業や製造業、企業経営、通信などで使われる道具は
それほど複雑なものではありませんでした。
故障は日常茶飯事だったし、修理も簡単で、配管工や電気技師、コンピューター技師、
ましてや会計士や投資顧問などを呼ぶ必要はありませんでした。

現代では私たちの用いる道具は複雑であり、故障は致命的であり、
広範囲に大きな影響を及ぼします。
私たちは誤作動と過ちの可能性に常に配慮しなければなりません。

確率論やリスクマネジメント手段による指図がなければ、電力事業は存在せず、
技術者は大河に架ける橋の設計もできないし、飛行機も飛ばず、
宇宙旅行などは夢のままでした。
様々な形態の保険がなければ、一家の大黒柱が亡くなると残された子供たちは
餓死するか孤児院に行かざるをえないし、医者にかかれない人々が続出し、
住宅を購入できるのは金持ちだけ。
農家が収穫前に、固定された価格で穀物を売ることができなければ、
穀物供給料は今より遥かに少なくなってしまうでしょう。

リスクに対処しうる能力と、そのような能力を備えた上でリスクを取りながら
将来に向けての選択を行うことこそが、経済システムを発展させるエネルギー源です。
投資家がわずか一株の株式しか保有できなければ、マイクロソフトやマクドナルドといった
現代を象徴するような意のベーティブな企業はこの世に存在しなかったでしょう。