創業者で父の大塚勝久会長(71)と、長女である久美子社長(47)の間で激しい対立が続く大塚家具の株主総会が27日午前、東京都江東区で開かれた。
勝久氏を取締役から外すとした久美子氏率いる会社側提案の議案が賛成多数で可決され、長女側の勝利で決着した。同社の発表によると、賛成票は全体の約61%にのぼった。
午後に開く取締役会で久美子氏の社長続投を決め、記者会見する予定。
この日の総会でも両者が非難の応酬を繰り広げた。勝久氏は約19%を持つ筆頭株主でもあるが、国内金融機関や外資系ファンドなどが、久美子氏側に賛成したとみられる。勝久氏が提案した久美子氏を取締役から外す議案は反対多数で否決された。ただ、従業員や取引先の一部は勝久氏を支持しており、今後も混乱が続く可能性がある。
大塚家具では2013年頃から、勝久氏と久美子氏が経営方針を巡って関係が悪化。14年7月に久美子氏が社長を解任され、勝久氏が会長と社長を兼務した。しかし、15年1月には勝久氏が社長を解任され、久美子氏が社長に復帰。経営権の争奪戦になっていた。
勝久氏は、大型店舗で入店時に顧客に氏名や住所を登録してもらい、販売員が同伴する「会員制」を重視しているのに対し、久美子氏は、会員制の転換などを主張している。