11月26日の「クローズアップ現代+」で『君の名は。』メガヒットの謎に迫るとかいうのをやっていた(録画はしてない)。
『君の名は。』は1カットの平均秒数が3,9秒であり、これは通常より短くて、その展開の速さによってリピーターを呼んでいる、みたいなことを説明しておった(あくまでも分析の中の一部としてではあるが)。
どっちにしろ「メガヒットの謎」なんてのが解けるもんなら世話はないわけであり、カットが短いと客が増えるのかなんて考えても仕方がないのでおれは考えないけどね。ただ、平均3,9秒が本当に通常より短いかどうか、に関してはある程度は検証の仕様がある。
というわけで、数字がはっきり分かる最近の自分の絵コンテをサンプルにして、平均を出してみた。例えば「バッテリー」11話が、フォーマット1190秒に対して293カットなので1カット平均は4,06秒。もう一つ、「クズの本懐」7話が、同じく1190秒に対して299カットなので平均3,97秒。これらの数字は『君の名は。』とほとんど変わらないと考えていい。
おれは以前は「長回しが多い」とか「カット数が少ない」とか言われていたこともあり、テレビシリーズで200カット以下のコンテもしばしば切っていた。最近のアニメは総じて脚本段階でのシーン数や情報量が多くて、個人的にもカット数が増加傾向である。だがそれでも300カット前後というのは概ね平均的ではないかと思う(350カット以上あるような作品も多い)。
つまり『君の名は。』の3,9秒というのがNHKの計算違いでないならば、1カットが特に短いというわけでもなく、ことさらに作品としての特徴とは呼べないであろう。むしろ「クロ現」を見て、あの映画って意外にも1カットが長いんだなという感想をおれは持ちましたね。
テーマが「アニメーション」の時は、自作のアフレコ台本のすべてを年代順に掲載しています。今回は「ファンシーララ」。初めてシリーズ構成を担当したシリーズだった。