字音仮名遣ひの「ず・づ」◆旧かな講座 | 日本語あれこれ研究室

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 字音の中でも、仮名の表記方法にこだはつておきたい事柄。

前回は「じ・ぢ」に関して述べましたが、今回はその後編として「ず・づ」の問題を取り上げます。

 

 「現代仮名遣い」では「図画」が」と書き、「大豆」「だいと書くことになつてゐます。

 歴史的仮名遣ひではそれぞれが」「だいと書きます。

 「と」と「づ」の二通りに読む漢字、「とう」と「づ」の二通りに読む漢字は、表記も「タ行・ダ行」で統一されるからです。ちなみに昔は「ず」と「づ」とで発音にも区別があつたので、これらは「づ」と発音されてゐました(今も地方によつてはあるらしい)。

 この考へにより、次の漢字はすべて「づ」になります。

 

「図」は「図書」(としよ)があるので、「図画」はが」

「豆」「豆腐」(とうふ)があるので、「大豆」は「だい

「途」は「途中」(とちゆう)があるので、「一途」は「いち

「杜」は「杜絶」(とぜつ)があるので、「杜撰」はさん」

「逗」は「逗留」(とうりゆう)があるので、「逗子」はし」

「頭」「頭部」(とうぶ)があるので、「頭上」はじよう」

    また、「饅頭」もダ行になり、「まんぢゆう

 

 また同様にして、「融通」は「現代仮名遣い」では「ゆうずう」ですが、これは「通(つう)」の連濁なので、歴史的仮名遣ひでは「ゆうづうです。さらに「ずうずうしい」も漢字だと「図々しい」なのでづうづうしい」になります。

 今回例として挙げたものも前回の「ぢ」同様に、「現代仮名遣い」においても「づ」を使ふことに改訂した方がよいと思つてゐます。

 画像はバンベルク。小ヴェニスと呼ばれているとか。