日本語あれこれ研究室

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日常生活の日本語やメディアなどで接する日本語に関して、感じることを気ままに書いていきます

 

 

 アニメ映画『ルックバック』について、鑑賞直後の感想を少しだけ書きたいのだが、最近はすぐにネタバレネタバレと言われたりするみたいで、やりにくいような気がするのだ。

 ミステリの犯人をバラしたのならともかくとして、以前『タイタニック』の沈没シーンについてネットに書きこんだ人が、「タイタニックが沈没することをバラすなんてネタバレじゃないか」と誰かに批判されてるのを見かけたし。

 というわけで一応お断りを。……映画『ルックバック』の中身に触れているので未見の人はご注意ください。

 

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 原作に忠実な映像化である。それでも、原作をふくらませて追加された描写が主に3か所あると思った。

 1つは、京本の絵を初めて見た藤野が悔しさのあまり、狂ったようにデッサンの練習をするシーン。

 2つ目は、プロになってからの藤野が、編集部から紹介されたアシスタントに関して電話で不満を伝えるシーン。

 3つめが中学時代の回想。藤野と京本が共作しながら仲良くなっていく止め絵のシーン(ここが一番泣けた)。

 以上の3か所がすべて、「藤野にとってどれだけ京本が大切だったか」を表現していて、つまり原作のテーマを補強する上でどれも大正解な追加であり、これが押山清高監督の才能なのだろうと感じた(他の監督を〝評価〟するなど我ながら口幅ったいですが)。

 

 演出的なことを言い出すなら、この作品の作りには共感・感心する点がいろいろとあったのだが、とても細かくて長い話になりそうなので今回はやめておく。

 最期に、河合優実は驚愕の上手さであった。

 

〇納豆のパックに付いてるタレと辛子の小袋は要らないと思ってた。家に醤油とチューブ辛子くらいあるし。使わない場合はムダになるし。

 で、最近やっと見つけた、国産大豆使用でタレと辛子がついてないやつ。もうこれに決まりだね!

 

10日くらい前の「報道1930」のこと。

 プーチンが「(北方領土に)必ず行く」と宣言したらしい。これに関して松原耕二が「本当に行きますかね」と言い、出演者も「行くと思いますよ」等と答えていて、とても違和感があった。北方領土は日本なのだから、ここは「行く」じゃなくて「来る」と言うべきではないですか?

 

〇自分が悪いことをした相手に「ごめんね」と謝るのは、知らずにしてしまった時や間違ってしてしまった時だけ。子供の頃、母からそう教わった。わざと悪いことをした場合には、謝っても済むことではないのだと。

 つまり仮におれが環境大臣か何かだったとして、もし被害者が話してる途中でわざとマイクのスイッチを切ったりしたら、言葉で謝っても手遅れなのだということ。要するに辞職するしかないということなのだ。

 

〇祥伝社のノン・ノベルや祥伝社文庫には、巻末に原稿用紙が印刷されたページがある。本の感想文を百字で書いて送り返すためのもので、切取り線もある。

 これを切り取って封筒に入れて切手を貼ってまで送る人がどれくらいいるものなのか、見るたびに疑問なのではあるが、70年代頃からついてたし、現在もついてるし、人知れず需要があるのかも知れないな。(個人的に気になってるだけの独り言)

 

〇ほとんど見てない「虎に翼」をたまたま見てたら、出演者に森田望智という女優がいてさ。

 〝望智……ぱっと見の字面が他人事じゃないので驚く。読み方は もっち

 

 

 この時期、「改憲」に賛成か反対かの世論調査等がよく出るけれど、調査の際には賛成・反対の他に「あなたは憲法を全文読んだことがありますか」も合わせて聞いてみてくれないかな、と思う。ちゃんと読んだ上で意見を言っている人がどのくらいの割合なのかが、けっこう気になるから。

 最近も「憲法には〇〇に関する条文はないそうです」というツイートをたまたま見て、自分でも確認すればいいのにと思ったのである。

 

 おれは何度か読んでいる。初めは小学館の単行本の『日本国憲法』を持っていたのだがハードカバーは読みにくいので、かなり前に「通販生活」に付いていた綴じ込み付録に替えた。

 憲法はたった103条だけどすぐに忘れてしまうので、何年かに一度くらい読み返している。

 

 しかしこの綴じ込み付録は9条だけが大きな活字になっていて、その点は気に入らないのである。

 裏表紙に「憲法論議はまず憲法を読む(知る)ことから始まる」と書いているのだから、初めて読む人に先入観を与えるような編集は勇み足ではないか? 9条については読んだ人が自ら考えることだと思うのだ。

 

 

 

 

 我が愛読してやまない『バーナード嬢曰く。』(施川ユウキ)は、ひたすら本の話ばかりの青春読書マンガ! 単行本は現在第7巻まで発売されている。

 この単行本のカバーを外してハダカにすると、本体の表紙のデザインが、実際に存在する文庫本の表紙の本歌取りになっているのである。しかも各巻ごとに元になっている文庫が異なっているという凝りようだ(実際には、表紙だけでなくて裏表紙とフロントページまで元文庫と同じデザインになっている)。

 

 というわけで、第1巻から第7巻までのハダカの表紙写真と共に、元ネタの文庫名を記してみたい。

 

〈1巻〉新潮文庫

 

〈2巻〉ハヤカワミステリ文庫・ハヤカワ文庫SF

 

〈3巻〉 ? ? ?

 

〈4巻〉ちくま文庫

 

〈5巻〉創元推理文庫・創元SF文庫

 

〈6巻〉徳間文庫

 

〈7巻〉講談社文庫

 

 以上お気づきのように、第3巻の元ネタだけが不明なのである。いや、口惜しいことにホントに分からない。

 お願いです。お分かりの方、ぜひとも正解をご教示くださいませんか?

 

★翌日追記★

 すぐに「名無し」さんからコメントをいただき、第3巻はサンリオSF文庫ではないかとのご指摘でした。ありがとうございました。