Invitation / Yosuke Yamashita | 風景の音楽

風景の音楽

“のすたるジジイ”が30~50年代を中心にいいかげんなタワゴトを書いております。ノスタルジ万歳、好き勝手道を邁進します。


令和6年6月10日(月)
Invitation / Yosuke Yamashita(★★★★☆)
ノスタルジ度(★★☆☆☆)
ジャケット(★★★☆☆)
ジャンル:Jazz


Side 1 
1.Greensleeves    6:18
2.On The Road    7:04
3.Mokujiki    5:17

Side 2
1.Let's Cool One    6:13
2.I Can't Get Started    6:37
3.A Night In Tunisia    7:50
4.Prelude To A Kiss    0:30

山下洋輔(p)

Recorded Feb. 22, 1979 Live At Fuji TV Gallery
Released by Frasco – 18PJ-1022(stereo)

今日から七十二候は“腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)”。
京都の上賀茂あたりではゲンジボタルが出始めたことだろう。
昨日の日の入りは19時9分で変わらず。
今朝の日の出も4時43分で変わらず。

山下洋輔の79年録音。
フラスコのオリジナル盤である。
フラスコは日本フォノグラムのレーベルだ。
Popなジャケットだ。

“Greensleeves”が素直なピアニズムだ。
フジテレビの画廊で行ったソロ公演である。
2曲目の“On The Road”はすこしキースのイディオムにも似たパッセージが繰り広げられる。
洋輔のフレーズには日本の土着の景色が見え隠れする。

それは西洋にはないものだ。
からっと晴れた空でも直ぐに雲が流れ来て、陽射しの色がつぎつぎに変わる。
太平洋ではなく日本海の風景のような演奏だ。
洋輔の若い時分にはそういう色合いは出なかった。

ギャラリイで絵画に囲まれてのライブ。
これは屋内よりも、湖畔のホテルの芝生で演るほうが似合う。
陽が射して、またすぐに翳り、湖面をさっと風が渡る。
そういう景色が見えてくる演奏である。

3曲目の“木喰”がダイナミックな展開をさせたのは
この画廊の為せる“空間の力”だろう。
でも、アタシとしては、風の吹き抜ける屋外で
はるか上空を遊弋するトンビのように弾いてほしかった。