Underground / Thelonious Monk | 風景の音楽

風景の音楽

“のすたるジジイ”が30~50年代を中心にいいかげんなタワゴトを書いております。ノスタルジ万歳、好き勝手道を邁進します。


令和5年11月25日(土)
Underground / Thelonious Monk(★★★★★)
ノスタルジ度(★★★★★)
ジャンル:Bop Jazz


Side 1
1.Thelonious  3:14
2.Ugly Beauty  7:20
3.Raise Four  4:36
4.Boo Boo's Birthday  5:56

Side 2
1.Easy Street  5:52
2.Green Chimneys  9:00
3.In Walked Bud  4:17

Charlie Rouse(ts), Thelonious Monk(p), Larry Gales(b), Ben Riley(ds), Jon Hendricks (vo : B3)

Recorded Dec. 14, 21, 1967, Feb. 21, 1968, Dec. 14, 1968
Released by Columbia – CS 9632(stereo) / CBS・ソニー株式会社 – SONP 50007(stereo)

昨日の日の入りは16時47分だった。
今朝の日の出は6時40分だ。
今朝は冷え込んでいる。
寒波の襲来で昼間も11度までしか上がらないようだ。

セロニアス・モンクの67年から68年にかけての録音。
オリジナルはコロムビア、これはソニーの同時発売盤。
中古屋でオリジナル盤が安く出ていたのに
買い逃しちまったのはもう20年も前のことだ。

あれよあれよと時が経ち、あれよあれよと値が高くなって
やっとこさ手に入れたのはソニー盤…。
しかもジャケットが日焼けで退色しているではないか。
仕方がない、さあ、音は如何に。

針を下ろすと意外に佳い音にびっくり。
ソニーでもまともな音が出ているではないか。
学生時代に“木馬”でこのジャケットを見て一目で惹かれたね。
ドイツ軍兵士がふん縛られている牛小屋でピアノを弾くジャケ写真がいいねえ。

このジャケットはグラミーの最優秀カバー賞を受賞している。
奥の方にライフル持ったネーちゃんが居たりして
次々と妄想の湧き起こるジャケットだ。
これだけで短編小説がいくつも書けそうである。

そもそも60年代の東京はアングラ・モードが大流行していた。
それとタイトルの“Underground”がちっとも結びつかない。
演奏はいつものモンク節である。
ちっともアングラではない。

アタシが一番好きなピアニストはエロール・ガーナで
二番目がセロニアス・モンク、三番目がサン・ラである。
モンクのピアノの佳いところは
なんとしてもコピーできぬピアニズムにある。

モンクのへんてこな節回しもさることながら
もたつく下降スケールは絶対にマネができぬ。
モンクごっこをするなら、この下降スケールを
コピーしないと絶対に成り立たぬ。

ガーナごっこはできてもモンクごっこは難しい。
アタシはモンクのコピーはとっくに諦めている。
サン・ラごっこは一人で演っても空しいから演らない。
くだらぬことを妄想せず、ジャケット眺めながらモンクを聴く。

最後の三曲目でジョン・ヘンドリクスがボーカルを演っている。
ヘンドリクスの投げやりな唄がいいねえ。
三曲目にこれを持ってくる唐突さはアングラ的だ。
別にアングラを意図してないのがアングラなのである。