The Genius Of Dave Brubeck/Dave Brubeck Quartet | 風景の音楽

風景の音楽

“のすたるジジイ”が30~50年代を中心にいいかげんなタワゴトを書いております。ノスタルジ万歳、好き勝手道を邁進します。


令和3年1月22日(金)
The Genius Of Dave Brubeck/The Dave Brubeck Quartet With Paul Desmond(★★★★★)


Side 1 

1.Mamselle(Gordon, Goudling)2:50
2.Stardust(Carmichael)6:49
3.Frenesi(Charles)2:35
4.Me And My Shadow(Jolson, Rose)2:26
5.At A Perfume Counter(Burke, Leslie)2:50

Side 2

1.Crazy Chris(Dave Brubeck, Paul Desmond)3:19
2.A Foggy Day(Gershwin)3:07
3.Somebody Love Me(Gershwin)3:22
4.Lyons Busy(Dave Brubeck)3:07
5.Look For The Silver Lining(Kern)3:40

Paul Desmond(as), Dave Brubeck(p), Bull Ruther(b), Lloyd Davis(ds)

Recorded 1956
Released by Fantasy ‎– 3-229(mono) / America Records ‎– 30 AM 6068(stereo)

朝から雨が降っている。
雨は嫌いだが、庭の木々は喜んでいるだろう。
村野守美の漫画に“一雨毎に春がくる”というコマがあった。
静かに降る冬の雨には山里の匂いがする。


デイブ・ブルーベックの56年録音。
オリジナルはファンタジイ、これはアメリカ・レコードの復刻版。
ジャケットはオリジナルと違ってブルーベックのアップ写真。
これはオリジナルのモノクロ写真の方がはるかによい。

仏盤なので版権の関係もあったのだろうか。
アメリカ・レコードというのはよく知らないレーベルだ。
レーベル・デザインはインディアンの羽根冠なのだろうか。
なんだか直截すぎて可笑しい。

アタシはブルーベック・バンドにはキワモノ感を抱いていた。
“Take Five”の印象が強烈だったからだ。
友人から、これはなかなかいいよと勧められて入手した。
56年録音だが、ノスタルジックな香りの漂う演奏である。

なるほど、人の言うことは聞いてみるものだ。
ラテン風の曲もあるが、キューバ色を強く出さぬ演奏がよい。
当時のTV番組ではキューバあたりのラテン・バンドが流行っていた。
こてこてのラテンではなく、なかなかよい。

ブルーベックはPopular系のピアニズムで好みが分かれるところだ。
若い頃はそれがピントが外れているように感じたものだ。
退職してから50年代の米国TVのDVDにはまりこんで
“お茶の間”系の番組で流れる演奏に惹かれるようになった。

“非凡なるブルーベック”というタイトルどおり、
ブルーベックの才能があふれているアルバムだ。
若い頃に持った先入観をいつまでも持ち続けてはいけない。
今年は若い頃に幻滅したアルバムを再発掘してみよう。