COME RAIN OR COME SHINE/Carol Reed | 風景の音楽

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“のすたるジジイ”が30~50年代を中心にいいかげんなタワゴトを書いております。ノスタルジ万歳、好き勝手道を邁進します。


COME RAIN OR COME SHINE/Carol Reed‎(★★★★★)

Side 1
1.Come Rain Or Come Shine 2:36
2.We're Having A Heat Wave 1:52
3.Ill Wind           2:57
4.Rise And Shine       2:04
5.Rain               2:23
6.A Fella With An Umbrella  2:15

Side 2
1.Singin' In The Rain      2:22
2.Love And The Wather      2:12
3.Breezin' Along With The Breeze    2:27
4.I'm Always Chasing Rainbows    2:32
5.Let It Snow          2:10
6.Stormy Weather      3:17

Carol Reed(vo), Sy Mann(arr, org, celesta)

Recorded 1957
Released by Golden Crest ‎Records – CR 3006        

野分が近づいている。
十月でもまだまだ暴風雨のシーズンなのである。
まだ遠方に居るくせに秋雨前線を刺激して
雨を誘発している。

今朝も梅雨のような小糠雨が降っている。
やれやれ。
鬱陶しい雨空だが、天に唾するのはよしとこう。
またまた素晴らしいVINYLが手に入った。

キャロル・リードの五十七年のアルバム。
“天気”に関係する歌ばかりが集められたアルバムだ。
ライナーには“WCBS-TVでキャロル・リードはWeather Girlとして
数百万の視聴者に知られている”なんて書いてある。

調べてみたら確かにキャロルは米国で最初の天気予報アナウンサーだった。
五十二年から六十四年にかけて十二年間、
WCBS-TVの夜のニュース番組で天気予報の担当を務めていた。
気象学の知識は全くないけれど、語り口が人気だったらしい。

そのお天気お姉さんがどうしてこのアルバムを出したのか
それは調べても判らなかった。
テレビのショウ番組に出演していたようだが音楽活動は判らぬ。
キャロルは四十四歳で病没している。

キャロルの声はアナウンサーらしく透明感があり
JAZZ歌手にありがちなハスキー・ヴォイスではない。
爽やかでやわらかな声は、JAZZ歌手とはひと味違う。
伴奏はオルガン中心で一風変わっている。

ドラムレスのオルガン・トリオで、ギターとベースが入っている。
曲によってはオルガン伴奏のみのものもある。
アタシはオルガンは単調になりがちで好きではない。
このアルバムはキャロルの澄んだ声がオルガン伴奏を救っている。

本来、オルガンは演奏にアクセントを付ける楽器であり
メインを持たせてもつまらない楽器だ。
あくまでもほんのサワリだけ使えばいいのだ。
そうでないと金太郎飴JAZZになっちまう。

ここはピアノ・トリオで演って欲しかったが
“お天気お姉さん”としてはこれで似合っているような気もする。
番組で天気予報を閉める台詞はいつも
“Have a Happy !”だったそうだ。