1巻だけはだいぶ前に読んだことは

以前ブログで何度か触れていましたが

 

「終戦記念日」をきっかけとして

手に取り、この2日間で完読しました。

 

「戦争を知らない世代」

是非読んでいただきたい1冊だと思います。

 

 

漫画はとっつきづらい方は

アニメ化が決まったようですので

そちらから見てもいいかもしれません。

 

※色々調べてみましたがまだ、アニメが

いつからという情報はありませんでした。

ただ、決定が1年前なのでまもなく

発表されるのではないかと・・・

(根拠はありません泣き笑い)

 

アニメ化PV(18秒)下矢印

 

 

 

作品紹介

ある青年がペリリュー島を訪れ

そこで祖父が戦っていたことを

語ったところから始まりますが

この青年は誰の孫なのか?

ということは最後にわかります。

 

 

史実に基づき

当時ペリリュー島で戦い

生還した兵士の方から取材をして

描かれた漫画ですが

人物や細かいエピソードは

フィクションです。

 

 

 

 

 

 

ここからは私の個人的感想になります

 

このお話はあくまで史実に基づいてますので

ネタバレと言えば、誰が亡くなったか?

誰が生きて帰れたのか?

という部分になるかと思いますので

名前などは書きませんが

 

これから読んでみたいので

一切の情報は聞きたくないと思う方は

この先を読まないことをお勧めします

 

※作中の画像を多少載せますが

苦手な方が居ると思うので

残酷なシーンは載せませんが

文章では多少残酷な表現があります。

 

※この画像の下から感想を書きますね

 

 

この表紙がすごく好きです。

 

この右側が主人公の田丸くん

左側が田丸くんの親友、吉敷くん

 

読者は、この二人が無事に

生きて帰れるのか?

 

というのが一番気になって

読み進めることになろうかと思いますので

その結末は勿論、書きません。

 

 

まず最初にお伝えしたいのは

寝る前に読むのはお勧めしませんあせる

 

私は落ち着いて漫画を読むのは

寝る前が多いので2日とも深夜まで

読んでいたのですが

 

寝れなくなりました泣き笑い

 

 

いくらかわいい絵でも

ストーリーは実際の戦争ですので

残酷シーンもあり

応援してたキャラが残虐に

殺されてしまうシーンもあり…

 

若干の興奮状態になります汗

 

 

考えさせられること

思いをはせることは

たくさんありました

 

まず、客観的感想から言うと

主人公と準主人公が

現代人の感覚に近いので

感情移入しやすいだろうなと言うこと

 

これは、作者が現代人だから

なのかもしれません

 

 

この作中にも当然

 

お国のために命を差し出すのは当然!

 

という考えのキャラもいっぱいいて

 

人を殺すことも自分が死ぬことも

何とも思ってないように見えるキャラが

いっぱい出てきますが

 

その中で主人公たちは

「何とか生きて帰りたい」と思ってる

「仲間に助かってほしい」と思ってる

現代を生きる私たちに近い感情だから

 

応援し、共感し、

読み進めやすいのだと思います。

 

 

 

ある場面で、絶体絶命に陥った時

上官が皆に特攻を命じます

 

死ぬ前提で敵を一人でも多く殺す

それだけを目標に。

 

しかしその時事故が起きて

その上官が亡くなります

 

 

小杉伍長(1コマ目の眼鏡さん)の

セリフにドキっとする主人公

 

上官が亡くなったのにほっとしたことに

罪悪感があったのでしょう

 

実際戦争のさなかにあって

普通の精神状態じゃなくなっていたとしても

やはり、こう思う人は居たのかなと・・・

 

私たちは、この感情をまともに

思ってしまいますが

この時代、この場所においては

こっちの方が異端だったのかな・・・

 

 

こののち、アメリカ兵の作戦によって

閉じ込められ食べ物も無くて

死んでいく人も居る中で

その死んだ仲間の肉を食べて生き延びた

人の話が出てきます

 

それを知った時

他の兵たちは「人でなし」だと

「信じられない」と罵倒します

 

 

作中、あらゆる場面で

味方でも、少し裏切ったら

味方にあっさり殺されたり

 

怪我を負って立てなくなったら

自決するように言われたり

 

 

「お国のため」「上官の指示なら」

命を簡単に扱われてしまうのに

 

亡くなった兵士の肉を食べることは

生きるためであっても

忌み嫌われる行為なのだ・・・

 

いくら亡くなった後でも

仲間を食うくらいなら

自決するか死を待てということか…

 

もちろん、人肉を食べるなど

現代に生きてる私たちには

想像できることではないのですが

自分がその立場だったら・・・?

 

と、考えてみても答えは

浮かびませんでした

 

そもそも、作中で普通に食べている

虫の湧いた米やらも私には到底

食べる想像ができないのだから…

 

 

 

私たちの子供の頃は

普通にハエが家の中に

たくさん飛んでました

 

食べ物に止まるのなんか

当たり前のことで

手で追い払って食べてました。

 

 

うちの子供たちは

ハエ一匹家に入ってきたら大騒ぎ

追い出すまで騒ぎます

 

食べ物に止まったものなら

それはもう食べれません。

 

そう考えると・・・

 

その時代に産まれ

その場にいたなら

私も、その環境に

順応していたのだろうな…

 

 

人肉は想像したくないですが

極限の状態になったら??

 

結局はその状況に

ならなければわからない

 

もしも、現代人が今突然

あんな戦地に放り出されたら

大抵の人は、気が狂うか

自殺を選んでしまうの

じゃないだろうか…

 

 

つくづく戦争とはむなしいものだと思う

 

敵も味方もごく普通の人間で

たまたま別の国に産まれただけで

実は目の前の兵士自身には

何の恨みもないはず

 

そして、お互いが

死にたくないと思ってるはず

 

 

ならばお互いに

「やめよう。君も死にたくないでしょ?

僕も死にたくない」と言えば

解決しそうなもんだけど

そうはいかない

 

なんで?

 

信用されない相手に殺されるから?

 

上官に怒られるから?

 

味方に死刑にされるから?

 

兵士たちが皆で放棄したら

戦争にならないはずだけど

そうはいかない・・・

 

同調圧力なのだろうか・・・

 

洗脳なのだろうか・・・

 

戦争においては

 

敵を多く殺すことが「正義」

「逃げたい」と思うのは間違いであり

実際逃げたら「犯罪者」

 

それほど

 

「正義」なんて状況次第で

変わるものなのだなと思う…

 

 

 

何より衝撃だったのは

 

ペリリュー島で

生き残った兵士たちが

日本に帰還したのは終戦から

2年後という事実

 

本部が陥落して

日本からの連絡が来ない

ペリリュー島兵士たちには

終戦の連絡は来なかった

 

途中から、おかしいと

気づきだした者がいても

それを口にするのははばかられた

 

「敗戦」を意味するから

 

「終わったのなら早く帰りたい」

と思う者

「負けたと認めるくらいなら

帰れなくていい」と思う者

 

同じ日本人同士でのいさかいも起きる

 

 

戦争ものの小説や

漫画は結構、読んできましたが

この事実は初でした

 

終戦後まもなく兵隊さんたちは

日本に帰還したのだと思っていた…

 

終戦後に命を落とした人もいることが

なんともやりきれない思いでした…

 

 

読み終わった後、とにかく

 

いつでも水が飲めること

 

食べ物に困らないこと

 

屋根があって雨風しのいでること

 

 

私たちが当たり前の

ように思ってることが

どれだけ恵まれてることなのかを

改めて実感させてくれます・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

布団に入ってぬくぬくしながら

読んでいること自体に

罪悪感を覚えました

 

 

 

戦争を知る世代の方がどんどん

居なくなってしまうので

こういった漫画は

とても大事だと思います。

 

劇画調の専門的漫画や

字だけの本は子供たちや若者には

なかなか手が伸びないと思いますが

この漫画なら読みやすいと思いますので

私も子供たちに勧めたいと思います。

 

 

 

ちなみにこの作品の副題

「楽園のゲルニカ」ゲルニカ

皆さんご存じかと思いますが

ピカソの戦争を描いた絵画です

 

時々、物の価値の話などで

「良さがわからない」代表として

ピカソの絵を例えに

出されることが多いですが

 

私もピカソの絵の良さは

わかってない一人ですが

「ゲルニカ」だけは教科書で見たとき

ただただ、見入っていました。

多分「怖い」という感情の気がします

少なくとも感情を揺さぶられるというのは

凄い絵画なのだと思いました。

 

「ゲルニカ/ピカソ」※ネットよりお借りしました

 

 

とても長くなりました

最後まで読んでくださった方

ありがとうございます。

 

 

 

※漫画は<武田一義「ペリリュー

楽園のゲルニカ」白泉社>より