学生時代に女友達がオススメだからと貸してくれた漫画ですが、
かなり刺激的な内容であるにも関わらず、
何故か読み終える度に、
愛する誰か、大切な誰かに会いたくなるような、
遠い過去に胸の奥が微かに痛むような、
そんな感傷に浸ってしまう作品です。



画が非常にあっさりとしているので、
不思議と生々しいいやらしさは感じないのが
この漫画の特徴だと思います。


そして、1つ1つのストーリーが
とにかく切ない・・・。


それも泣きわめくような感情的な切なさではなくて、
青春のほろ苦さのような、
心にじわっと沁みてゆくような、
本当に静かな切なさが余韻のように残る、
そんな漫画です。



少女が大人になる過程で失って行くもの、
何かで埋めようとしても埋まらないままの心の隙間、
安易に手に入る温もりと、
だからこそ指の隙間を滑り落ちて行くような
実態の無い愛情。



そして時にそんな少女達と関わることで、
遠い日に失った何かに手を伸ばし、
そして手にした途端にシャボン玉のように消えてしまう儚さに
立ち尽くす大人の男達。



人間の弱さと刹那を通して、
愛とはなんだったのか、
あの頃追いかけていたものは何だったのか、
そんなものを問いかけられているような気になります。




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