扁桃腺とアデノイドの関係
扁桃腺とアデノイドは、どちらも咽頭(のど)の奥にあるリンパ組織で、免疫機能を持つという共通点があります。しかし、位置、大きさ、役割、肥大による症状などにおいて、いくつかの違いがあります。
1. 位置
扁桃腺: 口蓋扁桃、咽頭扁桃、耳管扁桃、舌根扁桃の4種類があり、口蓋扁桃は口を開けた時に左右に2つ見えるのが一般的です。
アデノイド: 鼻の奥、鼻腔と咽頭がつながる場所にあり、口からは見えません。
2. 大きさ
扁桃腺: 生後6ヶ月頃から大きくなり始め、5~9歳頃にピークに達し、その後は徐々に小さくなります。
アデノイド: 生後6ヶ月頃から大きくなり始め、3~7歳頃にピークに達し、その後は自然に萎縮していきます。
3. 役割
扁桃腺: 細菌やウイルスなどの異物が侵入するのを防ぎ、体を守る免疫機能を担っています。
アデノイド: 扁桃腺と同様に免疫機能を担い、特に鼻腔からの異物の侵入を防ぐ役割があります。
4. 肥大による症状
扁桃肥大: 扁桃腺が大きくなり、いびき、口呼吸、睡眠時無呼吸症候群、発熱、咽頭痛などの症状を引き起こすことがあります。
アデノイド肥大: 鼻づまり、口呼吸、いびき、睡眠時無呼吸症候群、中耳炎、滲出性中耳炎、副鼻腔炎などの症状を引き起こすことがあります。
5. 治療
扁桃肥大: 症状が軽度であれば経過観察になりますが、重度の場合は扁桃摘出術が行われることがあります。
アデノイド肥大: 症状が軽度であれば経過観察になりますが、重度の場合はアデノイド切除術が行われることがあります。
扁桃腺とアデノイドは、どちらも子供の健康に重要な役割を果たす組織です。これらの組織が肥大し、症状を引き起こしている場合は、耳鼻咽喉科を受診し、適切な治療を受けることが大切です。