飯を食わねば強くなれない、強くなければ飯を食えない。食料事情の乏しい中、レッドドラゴンに食われた仲間を助けるため、冒険者パーティーがダンジョン内を食料を狩りながら潜る!

 

正統派な冒険ものでありながら、内容は食事や料理についての小ネタが満載です、というか主に食事情ばかり。墓地に生える植物、大サソリ、食虫(食人?)植物はおろか、ファンタジーではお馴染みのコカトリスやドライアド、バジリスクからミミック、果てはレッドドラゴンまで食べ尽くす!絶対にリアルではお目にかかれないような食材ばかりですが、何となく現実に置き換えて「実在なら◯◯に似てるのかな?」なんて想像をするのもまた一興。

 

人の機微が読めないライオス、ちゃっかりもののチルチャック、頼りになる(でも人とはズレてる)センシなど、キャラクターもどこか愛嬌があり、さらに「いるある、こういうタイプ」と納得しながら読めること請け合い。よそでは美形で気品があって誇り高いとされるエルフ族ですが、「ダンジョン飯」のマルシルはおっちょこちょいでどんくさく、何より顔芸を連発。とにかく既存のファンタジーものとは一線を画す期待作です。読んでいると絶対にお腹が空いてきますので、時間帯には注意しましょう。