リボンの騎士 少女雑誌にはじめて描かれたストーリー漫画と言われる手塚治虫による「リボンの騎士」の初出は『少女クラブ』(連載期間は1953年1月号〜1956年1月号)であった。それから2年後の1958年、『なかよし』誌上で続編ともいえる「リボンの騎士」(のちに「双子の騎士」に改題)の連載が始まる(1958年1月号〜1959年6月号)。そして再び『なかよし』に連載された(1963年1月号〜1966年10月号)「リボンの騎士」は『少女クラブ』初出版のリメイクであった。リメイク版という稀な連載作品「リボンの騎士」の『なかよし』1961年(昭和36年)5月号掲載分(部分)と講談社発行の完全復刻版「リボンの騎士」[少女クラブ版]スペシャルBOXの相当する頁を並べて、リメイク作品の進化を体験してみる。

 

これまで・・・シルバーランド国のサファイヤ王子は、ほんとは女の子なのでした。でも、国のおきてで、王子でなければ王位につくことができないので、やむをえず、男の子のふりをしていなければならなかったのです、しかし、悪人のジュラルミン大公のわるだくみで、即位式の日に、女の子ということがわかってしまい、国民をだましたばつとして、棺桶塔へとじこめられることになりました。

 

完全復刻版 リボンの騎士[少女クラブ版]スペシャルBOX第1巻74〜81頁

新書版コミックス誕生以前、絶大な人気を博した作品はA5版ハードカバーの単行本として発行された。当時の装丁そのままに、現在では幻となっているラストシーンも復刻。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

棺桶塔の強欲な番人ガマーに悩まされる王妃と王女・・・サファイヤは棺桶塔に住むネズミたちに導かれて塔の外へ抜け出す通路を見つける。

 

リボンの騎士[なかよし版]1961年(昭和36年)5月号(全16頁の1〜13頁)

発表時の誌面13頁分を当時の雑誌からスキャン。雑誌の紙質や印刷色をそのまま紹介。

『少女クラブ』では41コマで描かれた展開を52コマに拡大して描いている。成熟したコマワリの変化に加えて、少女クラブのコマ間に新たなコマを挿入して吹き出し(セリフ)を増やし、ストーリーの運びを滑らかにしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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完全復刻版 リボンの騎士[なかよし版]スペシャルBOX

昭和39年11月増刊号から昭和41年6月増刊号まで5巻発行されたB5版総集編の復刻版。残念ながら完結までの発行とならなかったが、5巻以降の連載分を『なかよし』誌面B5版の4分1サイズで、別冊「リボンの騎士 なかよし版 アーカイブ」として復刻。

リボンの騎士《なかよしオリジナル版》復刻大全集

なかよし連載時のカラーと別冊付録も再現した完全復刻版。

 

 

 

 

 

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