現代人は皆、学校では成績、会社では評価を競い合う競争社会を生きています。「人間は競争の中でこそ成長し、勝つために努力する事で自分の能力は磨かれる」 と大人達に教えられてきました。そして、競争から目を背ける人間は、努力不足と言われます。

 しかし私は、その教えに対して疑問符を感じてなりません。競争する上で、人と比較する事は避けて通れず、その比較によって、劣等感や嫉妬、対抗意識など負の感情が起こり、結果的にマイナスになる人もいます。

 人間は大きく分けて、『内向型』『外向型』『両向型』の3種類あるのをご存じですか?これは、3大心理学者の一人のカール・ユングが提唱した概念です。

 内向型の特徴としては、

 ・関心や興味が内面に向きやすい

 ・自分の主観に従う

 ・消極的で一人を好む

 ・理論的で内省的で慎重

 ・適応が遅く晩熟

 ・一人の方が仕事が捗る

 外向型の特徴はその逆で、

 ・関心や興味が外界に向きやすい

 ・周囲の状況に従う

 ・積極的で社交的

 ・実務的で反応的で実行優先

 ・適応が早く早熟

 ・人と一緒の方が仕事が捗る

 両向型は、内向型と外向型の特徴の両面を持ちます。

 なぜ同じ人間でこれほどの差が出るかというと、人間には、『ドーパミン受容体(DRD4遺伝子)』というドーパミンを吸いつける遺伝子が存在し、『内向型は、外向型に比べドーパミン受容体が短い』ため、『内向型は、競争という強い刺激の中では、疲れやストレスのため、パフォーマンスが低下』してしまいます。 

 つまり、『内向型は競争社会に向いてない』のです。しかし、『内向型は適度な刺激の中では優れた能力を発揮する』事が最近の研究でわかっています 。

 では、内向型はどうやって生きていけば幸せになれるかというと、『スカラ量で勝負しない生き方にシフトする』事です。『スカラ量』とは、「学歴や職歴、収入や評価などの目に見えて計測できる価値」の事で、スカラ量で勝負する生き方は、他人との比較によって幸せを感じるので競争が必要になります。しかし、人と競争をしなくても、好きな事に没頭したり、大事な人と一緒に過ごすなど、身近に幸せが存在します。

 今までは、競争社会というシステム上、外向型優先の社会でした。しかし、内向型の人間から学べる事もたくさんあります。これからの社会は、内向型と外向型お互いの価値観を理解し、リスペクトしあう事が大事だと、私は思います。

 ちなみに、無料の内向型診断をした結果、私は内向型でした。皆さんも興味があったらやってみたらいかがでしょうか?