もう13日か。
早いなぁ~。
あれから1年がたとうとしている・・・。
あの日。
2007年12月15日。
午前0時。
おばあちゃんは逝った。
・・・ その前の日。
私はいつも通り仕事で。
朝8時からの仕事で、6時45分のバスに乗って出掛けていき・・・ 忙しくて20時まで残業してて。
帰りに駅のホームで、電車を待つ間・・・。
おばあちゃんの病院にこのまま電車乗っていっちゃおうか、自宅に帰宅するか、ちょっと迷って。
結局、予定通り帰宅することにして。
コンビニ寄って、午後ティーを買って。
帰りついたとたんに、玄関のドアを開けたら うちの親が 血相変えて コート着て 出てきて・・・
「おばあちゃんがあぶないって連絡があったから、すぐに病院に行くから!あんたも支度しなさい!」
って。
帰ってきたばかりだったけど、すぐにまた自転車に飛び乗って駅に向かった。
おじさん夫婦もいたから、タクシーには全員は乗れなかったから。
ひどく寒い日だった。
自転車乗りながら、やっぱり電車乗って あのまま病院に向かっていればよかった、って思ったっけ。
妹と妹んちで合流して、いっしょに駅まで歩いた。
途中で、なぜかカーネーションの切り花が落ちていて、一輪の花を持ったまま・・・ラッシュの満員電車にふたりで乗って、40分後には病院で家族全員が揃った。
島に帰っていたおばさんは立ち会えなかった。
島から駆けつけていた、いとこはまだ到着していなかった。
いとこにとっては、おばあちゃんは・・・ 父親であり、母親でもある存在だった。
おばあちゃんが入った病院は、看護婦さんをやっているおばさんの勤務する病院で・・・なにかとお世話になった。
・・・。
その瞬間は、くちでは言い表せない。
父は おばあちゃんの額をなでて、ありがとうございました、と深々と頭を下げた。
母は、終わった・・・と憔悴しきった顔でつぶやいた。
おじさん、おばさんたちも代わる代わるおばあちゃんに話しかけていた。
心電図の波がおばあちゃんの様子をみんなに知らせた。
いとこは、ぎりぎり到着できた。けど、医師の確認直後だった。
中学生になった、いとこのお兄ちゃんの子、ハヤトに 大ばあをよく見ておきなさい、と背中を押したことは覚えている。
乾いた唇にクリームをつけてあげることしか できず、冷たくなった手をさすることしかできず、おばあちゃん・・・、としか 言葉にならず。
ポタポタこぼれ落ちる涙はぜんぜん止まってくれなくて・・・。こんな私の姿を見せたくなかったけど、どうしても止められなかった。
持っていたカーネーションを胸のうえに乗せた。
なにかを待っていたかのように、午前0時ぴったりに ・・・もう痛みも苦しみもない世界に行ってしまった。
すぐあとに、看護婦のおばさんが病院にある施設で きれいに身体を拭いてくれることになって、自宅には午前3時に戻ることになった。
私たちは電車で帰るつもりでいたけど、駅に歩き着いたらもう終電がなくなっていたので。
ずっと暮らしてきた父と母と私と妹。
駅のタクシー乗り場は、帰宅予定のサラリーマンで長蛇の列。
4人でかなり待った。
後ろで酔っぱらいがオェーってやっているのが、やけに印象に残っている。
葬儀屋さんがおばあちゃんを車で自宅まで運んでくれる話を、タクシーの車内でうわのそらで聞きながら。
窓に映る、流れる車のライトを見ていた。
帰ってきてから、すぐにおばあちゃんを迎える準備をみんなで始めた。
おだんごがいるとか、ごはんをお茶碗に入れるとか、ふとんを敷くとか、なんかそんなこと。
予定通り、午前3時に葬儀屋さんの黒い車は おばあちゃんを乗せて帰ってきた。
帰りたい、って・・・ずっと言っていた家に。
やっと帰ってくることができた。
父といとこのお兄ちゃんとで、箱に入ったおばあちゃんをふとんに移しかえた。
いとこと、ふたりで髪をとかし、お化粧をしてあげて、小さくなったおばあちゃんは少女のようにかわいくて。
午前6時。
ふたたび葬儀屋さんの黒い車が 音もたてずにやってきて おばあちゃんは 二度と戻ることのない自宅を出ていった・・・。
薄暗い早朝。静かに明ける朝日はまだ出ていなかった・・・。
おばあちゃんをだまって見送って、一睡もできず 私はまた6時45分のバスに乗って 仕事先に向かっていった、交通事故にあった顧客の事故の話を聞くために。
泣き腫らした目をしていても、電話の仕事だから、相手に私の姿は見えない。
『笑声』を作りましょう、なんてどっかで聞いたけど・・・ なんかあってもやんなきゃなんないときは、やんないと。
おばあちゃんの葬儀が行われたのは、それから4日後。
最後にまた会おうね、と声をかけた。
お坊さんは、肉体がなくなっても元々決まっていて帰るべきところに帰ったので、寂しいかもしれないけど幸せに思うもの、なんてなことを言っていたけど・・・。
つらかった。
母は、おばあちゃんの骨を拾わず、葬儀場から仕事に向かっていった。
なんかあっても、やんなきゃなんないときは、やる人だから。
そして・・・、みんな介護や心配や不安や疲れから、皮肉にも解放された。
あの日。
明日でちょうど1年・・・。
今は、おじいちゃんと同じところで眠っている。
なんかね、おじいちゃんがおばあちゃんを迎え入れたとき、おっ、来たか、って 横目で見ていたよーな 気がした。
(^-^)