(続きといえば続き)
「Lemon」を課題として出されるまでは1人で「なごり雪」(1974年・イルカ)を歌っていました。
いよいよ漂う、年齢不詳感。
米津さんの歌詞が良い・悪いではなく、多分自分的には昭和の歌詞の方がピンとくるんですよ。
比較するとよくわかるんですが、
令和の歌は、
「幸せ」「傷つく」「悲しみ」「苦しみ」みたいな自分の感情をそのまま歌詞にするんですよね。
一方、
イルカさんの場合、
時がゆけば 幼い君も 大人になると 気づかないまま
と、くるんです。
ストレートに「君が居なくなって悲しい・会いたい」みたいな自分の感情は出さないんですよね。
また、
君の唇が
「さようなら」と動くことが こわくて 下を向いていた
という歌詞も、怖がっているのは「明確に別れを認めてしまうこと」な訳ですが、そうは言わずに、唇の動きで語らせるんです。
言わないことが、行間の想像を掻き立てるので(昭和世代には)逆に伝わるんですよね。
そういう意味で言うと、令和の歌詞は少し恥ずかしいんですよ。
ちなみに平成ソングはまだザ・エンタメとして分かりやすくしてくれているんで受け入れられるんです。
「商業的に分かりやすいものを提供しますよ」って言うスタンスが明確なんで。
が、令和ソングは「アーティスト」というパッケージで、「マジ」でストレートに「悲しい」「苦しい」「愛してる」と伝えてくるので、自分からすると、恥ずかしくなっちゃいます。
すごく極端なことを言えば、中高生の思春期の秘密ノートを読んでいる感じ。
広瀬香美(平成世代)がLemonをカバーしているんですよ。