102歳になる母方の祖母が入院したと連絡がありました。



今までは伯父夫婦と二世帯住宅で暮らしていたんですが、左腕を骨折して入院することになったそうです。



すぐにお見舞いに行きたかったんですが、平日は仕事で抜けられず、土曜日に1人で行ってきました。

 



病院に行くのがすごく怖かったんです。




というのは、平日に先に姉2人がお見舞いに行った際は、衰弱していて最初は2人の顔も認識できず、姉から俺に「早めに会っておいた方が良い」と言っていたんです。




当日、お見舞いの品のブリザードフラワーを買っている時も、会ってもちゃんと会話できなかったら辛いな、いっそのこと寝ててくれたらいいな‥なんて最低のことを考えていたんです。




そして病院到着。




祖母のいる部屋にいくと、祖母はうっすら目を開けました。




祖母は「〇〇くん?」と俺の従兄弟の名前を呼びました。

やはり、俺のことを認識出来きてないし、声もか細く衰弱してました。



その瞬間、不謹慎にも涙が止まらなくなってしまったんです。

衰弱している本人を前にして泣くなんて良くないと分かっているのに、昔のまだ元気だった頃の祖母が浮かび、溢れ出てきたんです。




すると‥




祖母がじっと俺の方を見て、次の瞬間こう言ったんです。




「ケンくん、泣かないで。これはみんなに訪れるものなの。私の順番が来ただけだから。おばあちゃんね、何も後悔ないの。本当に幸せだったの。だから泣かないで」って。




話した内容もさることながら、先程まで衰弱して、俺のこと認識できてなかった人が、俺の名前を呼び、さらにスラスラと言葉を発していることに驚愕しました。




そのことに驚き、また涙が溢れてきたんですが、それを見た祖母が、昔の話をして笑わしてくれたりしたんです。



いい年こいた孫の涙がショック療法になって、脳が活性化したんでしょうか‥。



しばらくして我に帰り、お見舞いで持ってきたブリザードフラワーを渡すことにしました。

とはいえ骨折してるし、自分で開けられないと思って、俺が包みから出そうとすると祖母が、「ヤダ、アンタ。そういうのは相手に手渡すもんでしょ?」と笑いながら言って、俺から奪い取り、自分で開けてました。




骨折した腕は大丈夫なの‥?




と思ったら、「もう痛くもなんともない」と言って固定していたサポーターみたいなものを自ら外し始めました。




もう、どんだけ〜?ですよね。





その後色々昔の話を楽しくしてくれて、心温まる素晴らしい時間を過ごせました。

祖母は昔祖父の仕事について行き、ペルーやらインドに住んでいたので話が面白いんですよね。




安心してお見舞いを終え、病院を後にしました。




すぐにLINEで姉に一連の話を伝えましたが、全く信じてもらえず、「あんなに衰弱していたのにそんなわけが無い!」と言ってました。




そんなわけも何も、事実元気いっぱいだったんですよね。




後日、再び姉が会いに行くと、やはりどんどん元気になっており、やっと信じてもらえました。




なんでしょうか。

本人も周りも「102歳」とか「入院」とか、そういうことに惑わされてしまっていた気がします。




そういうものを取っ払って、ちょっとしたおしゃべりや楽しいやりとりをしていたら、本来の「元気で明るいおばあちゃん」を取り戻した感じでした。




今思い返しても、あのお見舞いの日は、泣いたり笑ったり、感情がジェットコースターのように揺れ動き、でも最終的には暖かい気持ちに包まれて、不思議な時間でした。