めぞん一刻の物語はもう少し続きますが、第141話で完全決着がついた響子さん、五代君、三鷹さんの三角関係について少し考察してみたいと思います。

 

タイトルにもあるとおり、なぜ響子さんは五代君を選び三鷹さんを選ばなかったのか、2人の違いはどこにあったのかという面にスポットを当ててみたいと思います。

 

スペックでいえば、五代君がイケメン浪人→三流大学→就職浪人という人生を歩む一方、三鷹さんは資産家の家系で自らのテニスコーチとして生計を建てており、経済力では圧倒的な差があるといえるでしょう。

また、三鷹さんが終始イケメンとして描かれているのに対し、五代君はブサイクではないもののなんとなく冴えない男として描かれていて、ここでも差がついてますね。

そういう意味では、響子さんが三鷹さんを選ぶ要素というのは十分にあったはずですが、作中では一応響子さんが迷っているような場面もありますが、全体を通してみれば五代君を選んでいたことは明らかだったと思います。

では五代君と三鷹さんのどこに差があったのでしょう。

 

1 共に過ごした時間の差

その理由として、まずはこれが挙げられるでしょう。

響子さんは一刻館の住み込み管理人、五代君は一刻館の住人です。

もちろん部屋は別々ですので、家族と同じ長さの時間を過ごすとまでは言えませんが、それでも一つ屋根の下に住んでいる以上、接点は非常に多いでしょう。

三鷹さんの住まいの場所は明らかになっていませんが、三鷹さんは基本的には一刻館に自動車で来ていること、一方徒歩で一刻館に来ることもあったり、五代君や響子さんが徒歩で三鷹さんの家を訪れる場面があること、五代君と三鷹さんが病院で検査を受けて一緒に飲んだ後、2人で時計坂の駅で下車していること、一刻館の住人と三鷹さんとが街で偶然遭遇する場面が(たぶん)ないことからすると、三鷹さんの住まいは一刻館から徒歩20分前後の圏内で、かつ時計坂駅の反対側であろうことが一応推測できると思います。

そうすると、当然の話ですが、五代君と三鷹さんとでは、響子さんと共に過ごした時間の差が圧倒的に違います。

 

五代君と響子さんにとって、時間を共有することは日常生活の一コマにすぎません。

一方、三鷹さんが響子さんに会うためには、響子さんをデートに誘うか、響子さんがテニスに来てくれるか、そのどちらかしか基本的にはありません。

言い換えれば、響子さんと三鷹さんが会うときには、お互いよそ行きの状態で会うしかありませんでした。

一方、五代君はだらしないパジャマ姿を何度となく響子さんに見せていましたし、一緒に買い物から帰ってきたり銭湯から帰って来るような場面もありました。

このような場面は、作中ではそれほど多く描かれませんでしたが、実際には数え切れないほどたくさんあったと思います。

 

共に過ごす時間が長いということは必ずしもいい面ばかりではなく、悪い方に出ることもあるとは思いますが、五代君と響子さんにとってはそのいい面が出たのでしょう。

どのあたりが良かったのかということについては、また次回以降に書いていきたいと思います。