人生後半は、「勝負ごと」とは別の趣味もあった方がいいかも知れない・・・ | 犬と暮らせば~大家・ふくや招き猫が 頑固な柴犬&おおらかな大型犬と 心穏やかに暮らす方法

犬と暮らせば~大家・ふくや招き猫が 頑固な柴犬&おおらかな大型犬と 心穏やかに暮らす方法

ワンコは見た目より中身(犬種ごとの特徴)にご注目。悲鳴のような吠え方に、悪食・多飲・多尿の柴犬。ケンカにしか見えないプロレスごっこが大好きで、お薬大嫌いなボーダーコリー。縁あって、家へ来たからには、最後まで力を合わせて、生きて行こうね!
 

義母亡きあと一人暮らしをしていた義父は、

今年2回の入院を経て、5月末にリハビリのできる施設に移りました。

 

「ここでは女の人ばかりで、男の話し相手がいない」というので、

地元のシルバー人材センターに電話して、

義父の囲碁の相手をして下さる方をお願いしました。

 

囲碁は、義父の唯一の趣味です。

退職してから市民会館の囲碁の会にずっと参加していました。

かなりの腕前だったと聞いています。

 

それが2年ほど前から、次第に碁会所に行く回数が減り始めました。

デイサービスもきらって利用したことがありませんでしたし、

食事以外に外へ出なくなったので、

なんども囲碁に行くことを勧めましたが、「来週行くから」と言いつつ

全然行きそうもありません。

 

よくよく話を聞くと、

「囲碁に行っても、もう全然勝てないから行きたくない。

負けてばかりではつまらない。年を取るとダメだね」と言うのです。

負けるのがイヤ、勝てずに年を取ったと実感するのもイヤか~

 

子どもに教えることをすすめると、

「教えとったんだよ。だけど、その子がじき上手くなって、

もう勝てなくなるんだよ」と悲しそうな顔で言うお義父さん。

 

その義父が今年の春先に肺気腫の悪化で入院。

91歳にして初めての入院でした。

退院後しばらくして今度は骨折で入院。

急性期が過ぎて退院し、リハビリできるホームに移りました。

 

ホームでお世話になり始めて4か月目。

持病や骨折がようやく良くなり、心身ともに回復してきたところへ、

以前からお願いしていた囲碁のお相手が見つかりました。

 

シルバー人材センターの事務の方には義父の性格も説明し、

「囲碁ができて、しかも勝負にこだわらず勝ちを譲って下さる方」

というワガママな条件で探していただきました。

 

その方とも始めはあれこれ言って会おうとしませんでしたが、

先日ようやく対局実現。

 

当日、お相手(Hさん)の方は早めに来てくださり、

私が行った時には、もう二人で碁を打っていました。

 

1局めは、かろうじて(とHさんは言ってくださった)Hさんの勝ち。

義父は眉間にシワを寄せて、いかにも不機嫌そう・・・

 

お相手の方がもう「1局やりますか」と遠慮がちに言って、2局め開始。

 

間もなくHさんが「あ、しまった!」と言うと、じきに勝負がついて

義父の勝ち。

 

お義父さんの実力だったかもしれませんが、

私には、お相手の方のお心遣いに違いないとしか・・・

 

今日またHさんが来てくださり、3局対戦。

義父が2局勝ったところで、

Hさんが2目置いて(ハンディをつけて)3局めに勝利。

 

お義父さんは上機嫌で「これからもよろしく」と言って、

Hさんと毎週囲碁を打つ約束をしたのでした。

 

どこまでがお互いの実力で、どこまでがHさんの気遣いなのかは

わかりませんが、お義父さんも

お相手の気配りを察したのではないかと思います。

(事実がどうあれ、こう思っているのが、一番幸せ):*:・( ̄∀ ̄)・:*: 

 

何はともあれ、お義父さんは人生の張り合いをひとつ

見つけることができました。

Hさんに心から感謝しています。

 

勝負ごとは、勝てばおもしろいし、

勝とうと精進することにやりがいがあると思います。

 

実は、私も勝負ごとが大好き。

 

ただこのごろは、こんなことも思うようになりました。

「人生後半は、勝負ごとではない趣味もあった方がいいかも

知れない・・・」

 

精進するなら、勝負事でなくても、

書画に筆を振るうもよし、楽器を奏でるもよし。

 

書や音楽なら、

流派や曲目について好みの違いこそあれ、自分だけでなく、

周りの人たちみんなに、見て、聞いて楽しんでもらえると思うからです。